りょーこさんからの質問
Q.
いまだに引きずる原発事故。どう対応するのが正解なのか?

東京在住の主婦です。最近亡くなった女優の川島なお美さんと、乳がんになった北斗晶さんは、福島の野菜を食べていたことが原因だ、なんて噂があります。さすがにそれは信じていませんが、実際、私の一番仲良かったママ友には、九州に移住してしまった人もいます。そこまで敏感になる必要はないと思うのですが、今も放射能が出続けているとも聞くし、念のため子供には東北産の野菜など食べさせないほうがいいのか……。この問題、どのように考えればいいのか分かりません!

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答
A.
曖昧なことは曖昧にしか答えられない。
愛がなければ、確信を持って語ってはいけません

放射能問題……、これはね、分からないことなんですよ……。
この答えを聞いて、「え……?」と思われた方も多いかもしれませんが、僕は患者との面談でも、曖昧なことはきちんと曖昧に言うようにしています。曖昧なことというのは、Aさんはこう言っている、Bさんはこう言っている、Cさんはこう言っている、ということです。どれも70%ぐらいしか確実性がないことですが、それを学問的に説明されると、もっともらしく聞こえてしまうんですよね。

でも本来、グレーゾーンのことを自信を持って語れるのはね、“愛”しかないんですよ。困っている人に、確信を持って「こうしたほうがいいですよ!」と言えるのは、愛があるから。

移住問題に関しては、私のところに相談に来られた方もいらっしゃいました。子供を守るために悩まれているのでしょうが、「自分の子供だけを」という考えになると、子供の心は豊かにはならないかもしれない。反対に自分が犠牲になっても、心は豊かになることもあるでしょう。

だけど、大事なのは正論より配慮なのです。移住を決められた方には、「そうですか、アナタはそう決めたのですね」と認めてあげるしかありません。愛のある接し方をしていれば、いずれその方も、何が本当に大切なのか気がつく日がくると思いますよ。

いかがですか?
樋野先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE
  • 樋野 興夫さん1954年、島根県生まれ。順天堂大学医学部、病理・腫瘍学教授。2008年に「がん哲学外来」を開設。理事長として、がんによる不安を抱えた患者や家族を支援するため、無料の個人面談をおこなっている。その対話からたどり着いた人生観、死生観を綴ったエッセイ『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)が話題となっている。他著書に『いい覚悟で生きる』(小学館)などがある。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る