心が弱くない人でもストレスに負けることがある

コロナ禍で加速!有名人も発症した「適応障害」から身を守るには?_img2
 

適応障害は精神的に弱い人がなると考える方もいらっしゃいますが、臨床場面では必ずしもそうではありません。あるストレスに遭遇するまでは問題なく、むしろ適応的に活躍されていた方も少なくありません。適応障害は、どのようなストレスに対しても発病するわけではなく、ある特定のストレスを引き金にとらわれが生じたときになるのです。つまり、「適応障害を発症しやすい人」は「とらわれやすい人」ということになります。

 
【とらわれやすい人の傾向】

●内向しやすい人
内向は、もともとは真面目だったり完璧主義の方に見られた状態ですが、昨今では、それに加えてプライドが高い人(自分が一番できる)、自己評価が低い人(どうせ私にはできない)、悲観的に考えがちな人(自分が悪い、また失敗するかも)にも多く見られます。これらの方々は、ストレスに敏感で、より深刻にとらえてしまうために内向しやすく、ストレスに対してとらわれてしまい、ストレス反応がより強く持続してしまう傾向があります。


●サポートが受けにくい人環境的にサポートを受けにくい方は、適応障害になりやすいです。たとえば、荷物はひとりより誰かと一緒に運んだほうが軽くなって楽になるのと同様に、同じストレスでも精神的あるいは業務的なサポートがあると、ストレス反応は弱まります。しかし、手を差し伸べてくれる人が誰もいないと、ストレスを強く受けてしまうため、とらわれやすくなります。加えてサポートが受けられず、孤立している人は自身の思い込みを修正する機会が少なくなることも、とらわれやすくなる要因となります。


●生活面が乱れている人睡眠覚醒のリズムや食生活が乱れている人は、心身の余裕がないことからストレスの影響を受けやすくなります。つまり、それだけ適応障害になりやすい状態にあるといえます。また、ストレス解消につながるような趣味などを持たない人、ギャンブルやアルコールへの依存傾向が強い人も、ストレスの影響を受けやすいといえます。すでにほかのものにとらわれており、ストレスに対処する余裕がないためです。