夢を抱いて地方から東京に出てきたのに、思うようにいかない現実。そんな時、地元の中学校の同窓会の案内が届いたら? まぁ普通は気乗りしないですよね……。マンガアプリPalcyで連載中の『愛しい嘘 優しい闇』の主人公・今井望緒(みお)は、漫画家になるという夢を抱いて18歳で上京し、24歳で念願の漫画家デューを果たしたものの、それ以降はボツ続き。でも、ふと思いついて参加した同窓会がきっかけで、思いがけない事件に巻き込まれていきます。

『愛しい嘘 優しい闇』(1) (パルシィコミックス)

主人公の今井望緒は、漫画家志望の28歳。24歳でデビューを果たしましたが、その後はアシスタントを続けています。でも、アシスタントの後輩・りえがデビューを果たしたことがきっかけで、今のアシスタントを辞めてしまいます。実はりえのデビュー作は、もともとは望緒が考えたネタ。そのことを本人に問い詰めると開き直られ、「そんなに大切なネタならさっさと描けばよかったじゃないですか! 自信がないとか言い訳して描かなかったのは望緒先輩でしょ!」と言われ、何も言い返せなかった自分に嫌気が差してしまったからです。

 

さらに追い打ちをかけるように、実家の母からの電話。28歳にもなって結婚もせず、いつまで東京にいる気? と責められます。そして、同窓会の案内が届いていたことを伝える母。いまはそんな気分ではありませんでしたが、幹事が初恋の人・雨宮秀一と知り、同窓会に参加してみることに。

 

会場に行くと、中学時代に仲が良かった4人組が再会します。東京で弁護士をしている本田玲子、おとなしい性格で、3年前に親の勧める男性と結婚した北川優美、美人で派手なところがある岩崎奈々江の3人とは中学時代はいつも一緒に過ごしていたのですが、いつしか疎遠になっていました。そして、スーツ姿が似合う秀一は、現在は東京でIT関連の企業を経営していて、あっという間に女性陣に囲まれていました。また、望緒の幼馴染で、今は実家のワイナリーで働く深沢稜も来ていました。みんな懐かしい顔ぶれです。

 

今回、同窓会が開催されたのは、母校の中学校が廃校になるから。卒業時にみんなで埋めたタイムカプセルを掘り起こそうということになっていたのです。でも、記憶を頼りにいろんなところを掘り起こしても見つけることができませんでした。

 

みんなで掘り起こし作業をしている時、望緒は、両親を火事で亡くした同級生の男子のことを思い出します。クラスメイトに聞いても、その出来事のことは覚えていても、肝心の男子の顔や名前を思い出すことができませんでした。幹事の秀一にも確認しますが、転校したんじゃないかと話します。望緒が彼のことを覚えていたのは、彼の両親の葬儀に参列した時、彼がなぜか笑みを浮かべていたのが印象に残っていたからです。

 

結局、タイムカプセルは見つからず、二次会と称して飲みに行くことになったクラスメイトたち。ここまではよくある同窓会のエピソードなのですが、このタイムカプセルが引き金となって、思いがけない事件が連続して起きることに――。試し読み1話の最終ページに衝撃的な場面が描かれていて、「え、なんであの人が!?」と度肝を抜かれるのですが、ネタバレになってしまうので、ぜひ試し読みを読んでみて!

 

中学時代はみんな同じように過ごしていても、やがてそれぞれの人生を歩んでいくことになります。絵がうまくて漫画家になると夢を抱いていた望緒は、無職で結婚の予定もなく、自信を持てずにいます。美人の奈々江はSNSでは華やかな日常生活をアップしていますが、親から上京を許されず、自分より下だと見下していた優美が玉の輿婚を果たしてしまい、こんなはずじゃなかったと、もやもやした気持ちを抱えています。望緒が密かに憧れていた秀一は、同窓会をきっかけに望緒を積極的に食事に誘うようになります。望緒たちの28歳という年齢は、仕事、恋愛、結婚などと焦りを感じ、悩むことも多く、同窓会ではお互いの境遇の違いが浮き彫りになり、そこでまたさまざまな感情が渦巻きます。

幸せそうに見えても、必ずしもそうとは限らないし、誰にも言えない秘密を抱えている人もいる。そんな中、事故や殺人事件が起こることで、それぞれの本音や覆い隠していた事実が明らかになっていきます。2話以降、「え、あの人が?」と驚きの連続。中学時代に両親の葬儀で笑みを浮かべていた同級生をはじめとする伏線を気にしつつ、ドキドキ、ハラハラしながら一気読みしてしまう本格ラブ・サスペンスです。何よりタイトルの「愛しい嘘 優しい闇」が一番の謎! どんな意味が隠されているのでしょうか。

Palcyでは、各エピソードの最後に作家の愛本みずほさんの一言コメントがあるのですが、「中学時代って思い出すとほんとに恥ずかしい気持ちになるんですよね。一番戻りたくない時代です」「ボツを喰らいつづける新人漫画家の心の叫び。え、つらい。古傷が痛むわなんでこんな設定にしたんだ私。」といった、本音ダダ漏れな内容が面白いのでぜひチェックしてみて。7月13日に発売された単行本1巻で一気に読むのもいいけど、最新話まで読めるPalcyもおすすめです。
 

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『愛しい嘘 優しい闇』
愛本みずほ 講談社

愛か絶望か――愛本みずほが描く、孤独が共鳴しあう人間ドラマ。主人公・望緒(28)は漫画家として一度デビューするも、その後、作品が続かずにいた。温めていたアイディアを後輩に盗まれ、漫画家の道を諦めた矢先、中学の同窓会の招待状が届く。差出人は、雨宮秀一。眉目秀麗で誰からも好かれていた、望緒の初恋の人。同窓会に参加した望緒は、そこで思いがけない事件に巻きこまれる――。

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