ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。中学の同級生と38歳で再会して結婚した同級生カップルお二人にお話を伺いました。

園子さん(48歳)、太郎さん(48歳)。中学でクラスメイトだったふたりは、園子さんがバツイチになったアラフォーで再会して結婚した、同級生カップル。

今回取材した園子さんは、実は私の同級生で同い年の48歳。ご夫婦ともご一緒させていただくことが多いのですが、とにかく園子さんの「旦那さん好き好き」オーラが常にすごい! そしてご主人の太郎さんは、さりげなく気遣いしてくださる、素敵な男性。いつお会いしても「仲のいいご夫婦だな」と思っていたのですが、今回の取材で、その理由が少しわかった気がします。

 

 それは、太郎さんがとてもリベラルな価値観の持ち主だということ。「男だから」「女だから」というような固定観念を結婚生活に持ち込んでいない。
 
フリーランスのPR業の園子さんと共働きで、リモートワーク生活が続く現在も、家事は料理以外、ほぼ太郎さんが担当。最近忙しい園子さんが毎晩夕食をウーバーイーツやテイクアウトで済ませても、文句は言わないどころか、嫌な顔ひとつしないそう。
 
園子さん:今日は休日で、私は11時に起きたけれど、それに対しても言われませんでした(笑)。実家の両親は、母が父のパジャマまで出したりしていたので、母には「あなた、また遅くまで寝ていたの?」と怒られます。私も、太郎さんと一緒になっていなければ、「妻とは●●であるべき」というような、呪縛に囚われていたかもしれません。

 
20代で結婚して離婚経験がある園子さんは、今の結婚生活がとても幸せそう。
 
さて、前回は、そんなふたりがアラフォーになってからSNSのご縁によって再会したところまでをご紹介しました。同級生のツイートによって招集され、約20年ぶりに互いの近況を報告しあったふたり。恋愛対象として全く意識していなかったのに、どうやって結婚までたどり着いたのでしょう。
 
園子さん:当時はお互いにツイッターを頻繁にやっていて。私は当時、購入したマンションをリノベしたばかりだったこともあって、知り合いを自宅に招いて手料理でもてなす会食をよく開いていました。それで、残ったお料理を誰か食べに来てくれないかなと思っていたら、その頃転職して激務だった太郎さんが、「夕飯食いそびれた〜〜」ってツイートしているのを見て。「うちに食べに来ない?」って、何の下心もなしに連絡したんです。

 
同じく下心なしに、お誘いに有難く乗っかって、園子さんの部屋にご飯を食べに来た太郎さん。
 
そのときに、太郎さんが行列のできる人気店の和菓子を手土産に買って来てくれたところから、「私は行列に並ぶのは嫌いなんだよね。あ、でも、●●庵のお蕎麦だけは、並んでも食べに行くかも」という会話になり、「園子がそこまで言うお蕎麦なら、食べてみたい」→「じゃあ、明日一緒に行く?」という流れから、太郎さんはそのまま泊まることに。
 
園子さん:太郎さんはソファで寝て、その晩は何もなかったんです。翌日の昼間にふたりでお蕎麦を食べに行って、そのままインテリアショップを見たりしたんですが、それが妙に楽しくて。何だか、デートみたいだなと思いました。
 

そんなことがあっても、まだお互いの好感には気づかず、その後もそんなことが何回か繰り返されたといいます。このとき、ふたりはすでに38歳。いい歳した大人がそんなことってあるぅ!? と思うかもしれませんが、大人だからこそ、あるんです。同級生という気心知れない間柄で、お互い、恋にガツガツしていない、いい大人。だからこそ、純真に帰るというか、下心なしでお行儀のいい関係を続けられるという経験、私もアラフォーすぎてから、何度か経験いたしました。
 
園子さん:その頃、仲良くしていた年上のお姉様と電話していて、「最近恋愛はどうなの?」って聞かれたときに、「そういえば、同級生の男性がよく残飯処理にうちに遊びに来てるんだけど、それが何だか楽しいんだよね」と話したら、「いいじゃん! それ、絶対向こうも気があるよ。今度は残飯じゃなくて、彼のためにご飯を作って家に招きなよ」とアドバイスされたんです。

 
早速アドバイスを実践し、「太郎くんのためにご飯作るから、食べに来ない?」と連絡。やはり素直な人に恋の女神は微笑むのか!?
 
今までふたりきりで部屋に居ても男女の雰囲気にはならなかった園子さんと太郎さんが、どうやってその晩付き合うことになったのか。そのお話は、次回に続きます。

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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