ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回も中学の同級生と38歳で再会して結婚した同級生カップルのお二人へインタビュー。結婚式で読み上げたオリジナルの「誓いの言葉」とは?
約20年ぶりに再会した同級生の太郎さんと付き合ったその日から同棲し、39歳で結婚した園子さん。ちょっとここで、彼女の波乱万丈な人生を年表で振り返ってみようと思います。
・24歳で大学時代からの彼と最初の結婚
・27歳で夫の不倫が発覚し彼が出て行く
・30歳で泥沼離婚
・この間、30〜35歳までかなり年上の裕福な男性と交際&破局のループ
・37歳で婚約し2ヶ月で婚約破棄
・38歳で太郎さんと再会し交際、
・39歳で結婚
男性にモテる園子さんですが、40代まではいかに安定しない恋愛遍歴を送って来たかがわかります。しかも最初の結婚時には仕事を辞めて専業主婦状態で、離婚してから必死で仕事に復帰してキャリアを積んで来たという経緯も。
そんな彼女が、ようやく、穏やかで優しい人柄の太郎さんと再婚するとあって、結婚式には親戚をはじめお互いの友人知人が大勢集まりました。
アルゼンチン音楽をかけて参列者全員がダンスをするというユニークな式で、ふたりは互いに相手に書いたオリジナルの「誓いの言葉」を読み上げたのですが、太郎さんの誓いの言葉がとても感動的だったので、おふたりの許可を得て、少し長いですが、ここでご紹介させていただきます。
「園子さん
私はひとりっことして育ち、ひとりでいる時間がいちばん心地よく、大切だと思っていました。ですから正直、人と一緒に暮らすことなんて以前は想像もできませんでした。そんな私も園子さんと暮らし始め、およそ1年半が経とうとしています。本当に楽しい毎日で、自分でも驚きの連続です。
この度、結婚という新たなステップを共に迎えるにあたり、私はあなたに何も押し付けるつもりはありません。あなたがあなたらしくそのままで居てくれたら、私はずっと幸せです。時に頑固で、わがままで、そして面倒臭がりの私ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
私、●●太郎は●●園子さんを生涯妻とし、幸せや喜びは共に分かち合い、悲しみや苦しみは共に乗り越え、永遠に愛することを誓います」
これを読んで私は泣きました。「私はあなたに何も押し付けるつもりはない。あなたがあなたらしくそのままで居てくれたら私は幸せ」。これ以上の愛ってあるでしょうか。
結婚となると相手の条件を値踏みして相手が与えてくれることばかりに目が向きがちになる人も多い中、太郎さんの誓いの言葉は愛の本質を表していると思います。そのままの相手を受け入れる。言葉で言うのは簡単でも、それを実践するのは本当に難しい、理想の愛の形。でも太郎さんは口だけでなく、結婚後もそれを心がけているように、彼らの同級生である私には写ります。
色々あったけど、こんな素敵な旦那様と再婚できてよかったね、園子さん!
そして、ひとり暮らしが長すぎて「ひとりが快適すぎて結婚は無理!」と思っている人にも、太郎さんが彼女と暮らし始めて「毎日が楽しくて驚いている」というのは朗報ではないでしょうか。そう、結婚は相性次第。相性のいい相手と一緒になれれば、本当に毎日楽しくて快適なのです。
でもそれも、太郎さんが「ひとり暮らしがフリーダムすぎて、結婚して制約ができてちょうどよかった」と言っている通り、もしかしたら思う存分シングルの自由さを味わったからこそ到達した境地でもあるのかもしれません。
そんなわけで、このおふたりは晩婚で本当によかった、というカップルではないでしょうか。
結婚後、不妊治療しても子供に恵まれなかったおふたりは、現在養子縁組を準備中。その詳しいお話については、次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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