おはようございます!

先週、小山田エミーさんがブログで、子ども服のジェンダーを取り上げてくれました!ギャラリーラファイエットで見かけたというワンピースの女の子が可愛くて、釘付け。「女の子の服ってかわいいんだよなぁ」とつい口元がほころぶ一方、子育てではジェンダーを押しつけたくないと思ったり、我ながら矛盾してるような⋯⋯(汗)。

ジェンダーのような「○○らしさ」の押しつけ問題を考えるとき、喩えて言うなら、「ラーメンを注文した人に、餃子も一緒にどうぞって押しつけてはいけないんじゃないか?」みたいなことばかり気にしてたんですよ、私。だってラーメンと一緒にサラダを食べたい人もいるだろうから。でも最近知人との会話で、はたと考えさせられました。

知人は私より少し年上で、職業柄若い人や子育て中の親から相談を受けることも多い人。

知人「最近の若い人はさ、自分がどうしたいのかわからなくなっちゃってる人が多いんだよね。」

私「へぇ、意外。世の中的には、私たちが若いころより自由に生きられそうなもんだけど。」

知人「いやほんとそうで俺だったら自由にできてラッキーと思うだろうけど、そうならない人も多いんだよね。男は男らしくとか、女は女らしくとか、今はあまり言っちゃいけないムードでしょ?それだとどんどんダメになっちゃう子もいるんだよ。」

私「え、そうなの?」

知人「自分で決めたり、自分を律したりできない人も多いから。『男だからこうしなさい』って言ってもらえた方がしっかり進んでいける子もいるし、というか、それがむしろ多数派。」

⋯⋯うーん、言われてみるとたしかに。

自分で献立考えたこともないお客さんにとっては、店側がラーメンと餃子をセットにしてくれた方がありがたいわけです。だからといって、「男らしさ」「女らしさ」を押しつけることがいいとは思わないけれど、ジェンダーが指針を提供してきた面はありそうです。

 

バイアスは出来合いのお手軽定食?

 

あらためて自分を振り返っても、「ラーメン+餃子」「ラーメン+半チャーハン」みたいな王道を頼ってないわけじゃなかった。

たとえば、うちの息子たちは割と”男の子らしく”育ててきたと思います。それは男らしく育ってほしかったからと言うより、その方が向いているように見えたから。活発で外遊びが大好きで、興味の対象は車などの乗り物。絵本には関心なし。だからできるだけ外に出して、勉強やインドアで行う活動は積極的にすすめてきませんでした。

でも細かく見れば、長男は家でゆっくり過ごすことを好み、人間関係に敏感でうわさ好き。次男はフィジカルには活発だけどメンタルは繊細で心やさしく、料理に興味津々。彼らだって”男っぽい”性質だけでできているわけではありません。

そういう特徴を無視して、中華料理(男の子)でラーメン(外遊び)が好きだから、餃子(スポーツ)や半チャーハン(乗り物)を合わせるのが当然だと思ってはいやしなかったか?

中華料理(男の子らしい)のレッテルをわざわざ貼ることはしなくても、息子たちが「ラーメン+餃子セット」(画一的な価値観)を喜んで食べる姿を見て、実は安心していたのかも?

息子たちもそんな親の意識を読み、「それが中華(男らしい)ってもんだ」という刷り込みを受けたのでは?

⋯⋯なんでこんなラーメンの話ばかりしているかというと、これを書いているのがランチ前でひどく空腹だからです、が。

Unsplash』からお借りしてきた写真には、ラーメンとクリームブリュレの組み合わせ。おいしそう♪

 

多様性って頭を使う

 

私もいい大人なので、ジェンダーを含め様々な社会的な刷り込みがあることは否定できません。そしてステレオタイプが、ラーメン定食のような定番感、安心感、思考経済(考えなくて済むから楽)を与えてくれるのもまた事実。子育ては全人的な営みと頭ではわかっていても、忙しい毎日、子どもの全てをこと細かに観察するのは無理なので、パッケージで雑に判断する部分はどうしてもあります。

子どもは子どもで、自然に自分らしさを発揮していける子はたぶん少数派。自分らしくあるには、周りの大人に感化されながらの訓練と経験が不可欠でしょう。

自分の子ども時代を振り返っても、幼年期って親を始めとする大人のバイアスに晒されまくる時期なんですよね。そのバイアスのシャワーによって子どもは世界観を形作っていくわけだから、知人が言うように、大人がバイアスを恐れて情報を与えなくなると迷う子どもが出てくるのもよくわかる。

でも「バイアスは必要悪」とあきらめるのではなく、メッセージを発する側も受け取る側も、これまでよりもっと頭と心を使ってコミュニケーションする必要があると割り切った方がいいのかも。それをめんどくさがるのではなく、未来に向かうための必須リテラシーだと思った方が前向きなのではないでしょうか。

「お寿司にワイン」や「フレンチに日本酒」など、めくるめく自由で楽しいマリアージュは一部にはすでに存在するわけです。ラーメンに餃子もぜんぜん悪くないですが、ラーメンにはもっと無限の可能性があるはず。なぜってラーメンはただの喩えで、人間の話をしてるのだから(ごめんラーメン)。

誰かに接するとき、出来合いの定食セットに押し込めるのではなく、その人だけのあり方に敬意を払うのがこれからのスタンダード。そうすることでひとりひとりの最良の部分がきっと引き出せるはず。

⋯⋯な〜んて書くのは簡単ですが、道のりは長いのです。目下のところ、「(男である)ぼくはかっこよく、(女である)ママはかわいく」とおっしゃる三男の(どこで仕込んできたかわからない)ジェンダーハラスメントに悩まされてます。これも知人の言うように、三歳児なりに秩序立てて世界を把握する試みでしょうか。「早く次の発達段階に進もうぜ」と思う毎日です。

助産師/性教育YouTuberとして活躍するシオリーヌさんの『こどもジェンダー』が良かったのでご紹介。ジェンダーステレオタイプ、性別役割分担からルッキズムやLGBTQ+まで、ジェンダーをめぐる36の質問を扱っています。
「男の子がままごと好きなのは変?」「女の子はロングヘアの方がもてるの?」といった具体的な質問に対し、悩める子どもにもわかりやすく回答。巻末の大人向けのメッセージでは、子どもが偏ったジェンダー規範を口にしたとしても、頭ごなしに否定するのではなく子どもの思いを一旦受け入れて、「どうしてそう思うの?」と時間をかけて対話をしましょう、と実践的なアドバイスがあり、とても参考になりました。