部屋を片づけることで、新しい人生のスタートを切るきっかけになる──。そんな片づけ術を教えてくれる“こんまり”こと近藤麻理恵さんの、片づけのコツを伝授してくれるWEBマガジン「片づけの学校」。日々の暮らしに欠かせない「片づけ」ですが、意外と“きちんと学んだことがある”という方は少ないのではないでしょうか。正しい片づけ法やマインドを学べるこちらの「片づけの学校」から、人生を上向きにする片づけ法をピックアップする本連載。第3回目となる今回からは、実践的な片づけ法に入ります。

【こんまり®流・片づけ術】「着なくなった服を部屋着に降格」を絶対にしてはいけない理由とは?_img0
 

まずは初心者にもやさしい衣類の片づけ”からスタート!


片づけを短期かつ完璧に終わらせるためには「衣類→本類→書類→小物類→思い出品」の5つのカテゴリー順に片づけていくのが最も効果的です。なぜなら、残すか、捨てるか”の判断がしやすい、カテゴリーがはっきりしているモノから整理した方が楽だから。では、まずは衣類をどのように片づけていくのかをご紹介しましょう。

 


Step1 家じゅうの衣類を集める


衣類の片づけにおける第1ステップは、家の中にある洋服を、夏物から冬物まで1つ残らず集めること。クローゼットだけでなく、ベッド下の収納やタンス、もしかしたら家族の引き出しにご自身の洋服が紛れ込んでいるかもしれません。

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こんまりさんは片づけのサポートをする際、お客様に「これ以上洋服はありませんか? これ以降に出てきた服は、なかったモノとして諦めていただきます」と伝えるそうです。すると多くの方が、捨てられては困るという一心で、さらにもう何着か見つけてくるのだとか。第1ステップでは、そのぐらい真剣に家じゅうの衣類を集めてみてください。
 

Step2 集めた衣類を細かいカテゴリーごとに分ける


より効率的に進めたい方は、これらの衣類をさらに細かいカテゴリーごとに分け、一気に選別していきましょう。以下の順番で片づけていくと、思うように片づけが進む、とこんまりさんは言います。

1.トップス
2.ボトムス
3.かけるモノ(ジャケット、スーツ、コートなど)
4.靴下類
5.下着類
6.バッグ
7.小物(マフラー、ベルト、帽子など)
8.イベントモノ(浴衣、水着など)
9.靴

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ちなみに、こんまりさんのお客様のトップスの平均所持数は、なんと160着前後だとか! そんなに所有しているという事実を知るだけで呆然としてしまうかもしれませんが、メソッドに沿って片づけを進めていけば、必ずゴールは来るので心配しないで。 
 

 

Step3 オフシーズンのモノから片づけをスタート


こんまりさんは、オフシーズンのモノから片づけをすることをお勧めしています。その理由は、あらゆる持ちモノの中で一番純粋にときめきの感覚がわかるから。たとえば、秋も深まりつつあるこの時期に秋冬モノの選別から始めたとしましょう。すると「明日着ていく服がなくなるかもしれない」という気持ちから「ときめく服だけを残す」という冷静な判断ができなくなってしまいます。

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オフシーズンのモノを手に取ったら、「次の季節にこの服に会いたいか」ということを問いかけてみてください。そうでもないなと思ったら、それはときめいていない証拠。買った時の喜びを思い出して感謝して手放しましょう。でもその服が先シーズンに活躍していたモノだったら「活躍してくれてありがとう」のひと言を添えて。感謝して手放して、今、心がときめくモノだけを残していきましょう。

でも、そんな勢いでときめきを判断していたら、最終的に着るモノがなくなってしまうかも……と思うかもしれません。そう思っても、心配はご無用。これまで多くの片づけに立ち会ってきたこんまりさんは「かなりの量を片づけたように感じても、ときめくモノだけを選ぶようにしていけば、必ず自分にとって必要な量が残る」と言います。


Step4 オンシーズンのモノにも手をつける


オフシーズンのモノが終わったら、オンシーズンのモノも見ていきましょう。必ず一度収納から出して、1つ1つ触って判断していくのがポイントです。

残すかどうかを決めていく過程で、おそらく誰もが「まだ着られるのにもったいない」という感情を抱くと思います。でも、その流れで「部屋着に降格してしまおう!」という発想は禁物。結局洋服の総量は変わらず、そこまでときめきを感じない洋服たちが部屋着にスライドされるだけなのです。

こんまりさんもつい「部屋着に降格パターン」をやってしまっていた時期があったそうですが、それらの服は十中八九着ないということに気づいたのだそう。同じように部屋着の山を増やしていってしまった方たちに話を聞くと、「もともと外出先で着ていたモノを部屋で着てもリラックスできない」「外出着なので部屋で着るのがもったいない」など、部屋着としてはやっぱり活用できないという声が多数上がってくるといいます。さらにこんまりさんはこんな指摘もしています。

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部屋での格好や過ごし方というのは、その人のオーラや醸し出すイメージに影響します。私は片づけの現場を多く経験したからか、皆さんがどんな部屋着を着てどんな部屋で過ごしているのかが何となくわかってしまうようになりました。部屋での姿は誰に見られるわけでもありませんが、だからこそ最高にときめく部屋着に着替えて、自分のセルフイメージが高まるようにしませんか?」

ここまで言われれば、「ときめかない服を部屋着にするのは今日かぎりでやめよう」と思いますよね。

 
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