フリーアナウンサー馬場典子が気持ちが伝わる、きっともっと言葉が好きになる“言葉づかい”のヒントをお届けします。
日本人同士、言葉には不自由していないはずなのに、「話が通じない」という経験、ありませんか?
どんなに言葉を尽くしても、つまりどんなに心を尽くしても、通じなかった時の虚しさや徒労感……堪えますよね。
「言葉が通じない」海外で、「心が通じる」ことだってあるのに。
ちなみに、海外旅行っていいな〜と感じることの1つはまさに、言葉の壁を乗り越えて心が通じる瞬間です。もちろん、国内旅行でも、何気ない日常でも、心が通じた時は同様に幸せです。
話が通じないときに難しいと感じるのが、相手は「自分はちゃんと聞いている。ちゃんと理解している。」と思っていて、心が通じていないことに気づいていないこと。
そんな時、個人的にしっくりくる表現が、
「読解力」。
読解力とは、言うまでもなく「文章を読んで、その内容を理解する能力」という意味ですが、転じて、表面上の言葉を理解しているだけで核心は理解できていない人、または相手の真意を汲み取れない人=読解力のない人、という場面にも使われますよね。
最近、実際に「読解力」の定義が広くなっていることを知りました。
3年に一度、世界各国の15歳(日本は高校1年生)を対象に行われるOECDの「国際学習到達度調査」。
毎回、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」がそれぞれ世界の何位だったか、前回と比べてどうだったか、とニュースになる、アレです。
直近は、2018年に調査されたもので、「数学的リテラシー」と「科学的リテラシー」は上位をキープできていたのに、「読解力」は15位と、前回(8位)よりも大幅に順位が下がってしまいました。
なぜ、「読解力」だけが低下したのか。
そこには、デジタル時代に合わせた「読解力の定義の変化」がありました。
長くなってしまうので、来週に続きます。
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