“追いかけている幸せ”は味わえない


幸せになるために大切なことは、「目の前にある幸せに気づき、味わうこと」です。何か特別な幸せでなく、些細なことでいいのです。例えば、住む家があること、家族(友達)がいること、自分が健康であることなどでも充分なのです。
「当たり前のこと」など、実は、どこにもありません。「諸行無常」というように、環境や物事は常に変化し、私たち自身も月日と共に変わっていきます。だから、今の状態がずっと続くわけではないのです。

 

でも、いい意味で言えば「向上心のある人」、悪い言い方で言えば「欲望の強い人」は、常に「もっと! もっと!」と幸せを追いかけ続けます。もちろん、幸せを求めるのは、悪いことではないのですが、大概、そういうときは、すでに手に入れた幸せに対しては、“当たり前のもの”だと認識し、新たな幸せを得ることに意識を向けてしまっています。
さらに、まだ叶っていない望みがあることで、「自分はまだまだ恵まれていない」という“不足感”を抱えていることもあるでしょう。

「追いかけている幸せ」は、味わえません。手元にある幸せしか感じることはできないものです。でも、そういう人は、せっかく目の前に幸せがあっても、それを幸せだと認識せず、「新たに手に入れるものこそが、幸せになるために必要なものなのだ」と勘違いしてしまいます。
そうすると、その人は幸せな環境にいても、ずっと幸せを追いかけ続けてしまう、“幸せではない人”になってしまうのです。

先ほども伝えたように、幸せになるためには、まずは「手元にある幸せに気づくこと」が大事。もし、幸せを味わいたければ、一度、心を落ち着かせて、目の前にある幸せを1つ1つ書き出してみてもいいでしょう。
人によっては、今、「生きていること」だけでも、幸せだと感じることもあります。今朝、目が覚めたことですら、当たり前のことではないですしね。

とはいえ、むやみに幸せを追いかけ続けているわけではないのに、幸せを感じられない人も存在します。そういう人には、“あるもの”が欠けていることが少なくありません。それがないと、幸せになれないといっても、過言ではない大事なものです。それについては、次のページで紹介します。