女の子には、生理周期の管理や「心配ごと」の目安について伝えよう
自分自身で生理周期を管理できるようになると、自分の体調や体に起こる変化について気を配れるようになります。生理の始まりや終わりを気軽に登録できるアプリや手帳への記入など、子どもが管理しやすい方法を一緒に考えてみてください。
子どもが悩みをひとりで抱え込まないためにも「体調が悪いときや何か心配ごとがあるときなどは相談してね」と加えることも忘れずに。以下を参考に「心配ごと」の目安を具体的に伝えるといいですよ。
●相談してほしい「心配ごと」例
・痛みがひどいとき(横になっていないと耐えられない、鎮痛剤が効かない、生理痛がつらくて吐いてしまうなど)
・多い日用のナプキンを使用しても、2〜3時間ほどであふれてしまうくらい経血の量が多い
・経血がレバーのようにかたまっている(受診の目安:親指の大きさ程度のかたまり)
・生理が2ヶ月以上こない(受診の目安:生理が3ヶ月以上こないとき)
・生理が頻繁にくる/または止まらなくなる(受診の目安:1ヶ月に3回出血がある/出血が3ヶ月以上続く)
・外陰部がかゆい
・おりものの異常がある(魚の腐ったような匂いがするとき。色が赤、茶、黒、緑などのとき)
これらの状態が続く場合は、婦人科を受診してください。子どもが婦人科を受診することに、抵抗を持つ保護者もいるかもしれません。
しかし、かかりつけ医を持っておくと、体調の変化や心配ごとがあるときに子どもが相談できるようになります。さらに、女性特有の病気を早期発見できるなどのメリットもあります。
受診の際には、アプリや手帳などの生理周期を記録したものを持っていくと、便利です。体調面に加え、「いま使っている生理用ナプキンが合わないので変えたい」「タンポンを使ってみたい」などのちょっとした疑問についても、気軽に聞けるような関係性を築いておくといいですよ。
著者プロフィール
宮原由紀(みやはら・ゆき)さん
性教育サイト「命育(めいいく)」代表。大学卒業後、リクルート、アマゾンなどメディアやインターネット企業を約15年経験し、現職。子どもへの性教育に課題意識を持つクリエイターたちと、医師専門家協力のもと、命育を立ち上げる。サイト運営のほか、園や学校、PTA、地域などと連携して、多方面から家庭での性教育をサポートする活動に取り組む。3児の母。
『子どもと性の話、はじめませんか? からだ・性・防犯・ネットリテラシーの「伝え方」』
著者:宮原由紀 監修:高橋幸子(産婦人科医) CCCメディアハウス 1540円(税込)
「赤ちゃんって、どこからくるの?」「セックスって、なに?」――ある日突然やってくる子どもからの疑問や、子どもの性への興味。インターネットが子どもたちの身近にある今、性教育は学校だけでなく、家庭でも取り組みたい教育課題です。本書は、性教育サイトを運営する著者が産婦人科医監修の下、性に関して「子どもにどう伝えるか」を具体的な会話例とともに紹介。女の子の「生理」、男の子の「精通」、さらに性感染症や避妊などなど、保護者から寄せられたたくさんの「どうしたらいい?」に応える一冊です。育児中の方だけでなく、性に関する知識をアップデートしたい大人世代にもおすすめです!
構成/金澤英恵
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