フリーアナウンサー馬場典子が気持ちが伝わる、きっともっと言葉が好きになる“言葉づかい”のヒントをお届けします。

 

嵐の櫻井翔さん、相葉雅紀さんのダブル結婚報道に、「え?2人が結ばれたの!?」と勘違いした人がいるとかいないとか。
そんなことも含めて、おめでたく、ほっこりしました。

 

本来、おめでたい、嬉しい、結婚のお知らせ。
ですが、ここでもちょっとヤキモキすることが……。

何にヤキモキするかというと、
情報がオープンになった途端、前もって報告を受けていた人が「事前に聞いていた」ということまでオープンにしてしまうこと。

例えば、結婚披露宴。
もし時間や費用などが無制限なら、全員呼びたい。
でも、実際には費用などなど鑑みて、どこまで呼ぼうか……と頭を悩ませますよね。

例えば、転職や退職といった報告。
お世話になってきた方々には、事前に、全員に、ちゃんとお知らせするのが筋ですが……
日テレの退社を決めたとき、一番迷惑をかけてしまう現場のスタッフや、お世話になってきた皆さんには事前に自分の口から伝えたい、と考えていたものの、実際に動き出すと色々板挟みとなってしまい、結局不義理をしてしまいました。
(それでも、きっと様々な思いがあったはずなのに、受け止めてくれて、番組を続けさせてくださったり、温かく見送ってくださったりして、感謝しかありません)。

一方で、自分が受け取る立場の場合。
事前に知らせてもらえた時には、それは有り難くて嬉しいですが、オープンになった後でも、「実は知っていた」ことは、知らせてくれた本人が言わない限り言わないようにしています。
というのも、自分が事前に知らなかった時に、知らされなかったこと自体は「そんなものだろう」と思っていたのに、わざわざ事前に知っていたことを話す人がいると、心にさざ波が立ってしまうからです。

もちろん誰もが認める関係の方なら気にならないのですが、元々友だちが多くない私でも(だから?)「ああ、あの人より私は関係が浅いのね」とわざわざ思い知らされることは、恥ずかしながら、あまり気持ちの良いものではなくて……。
しかも、上司など、知る必要がある人以外は、心から大切な存在だからこそ事前に話してもらえたのだろうに、そういう人が知っていたかいないかの溝を作ってしまうことで、周囲の温かな気持ちに水を差すことにならないか、と気になってしまって…。

(反対に、「馬場ちゃんだから伝えておくのだけど……」と言われて大切にしまっておいたことを、みんな当たり前に知っていた、なんてこともよくありますが。笑)

「事前に知っていた」ということは、オープンになった後も胸の中にしまっておくことが、事前に知らせてくれた人に対しても、周囲の人に対しても、礼儀なのかな、と感じています。

友人の披露宴で司会をする度、自分のエアー席次表を妄想しては頭を抱えていました(笑)


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