ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。40歳手前で同級生婚した二人。妊活を経て「特別養子縁組」を申請中。なかなか思い通りにはいかないけれど、二人がとても幸せそうなのは……?

園子さん(48歳)、太郎さん(48歳)。中学でクラスメイトだったふたりは、園子さんがバツイチになったアラフォーで再会して結婚した、同級生カップル。

子供を授からなかったため、今は50歳までは特別養子縁組への申し込みにチャレンジしようと決めた、園子さん夫婦。今まで3回トライして上手くいかなかったという、狭き門であります。だけど子供がいなくても、お二人の生活はとても賑やか。それは、以前から飼っている猫2匹と、最近になって増えたトイプードル1匹の存在があるから。

 

園子さん:猫も犬も可愛いし、太郎さんと一緒に当たり前に過ごす日常が愛おしいんです。太郎さんは口下手だし、愛しているとか口では言ってくれないけど、愛に溢れた家庭で育っているからか、要所要所ではきちんと、私を大事にしてくれているなって感じさせてくれる。例えば、私の誕生日には、私の大好きなクレープシュゼットを毎年食べに連れて行ってくれるのですが、去年はコロナの外出自粛で行けなかったら家で作ってくれて、すごく美味しかったんです。一緒にモロッコに行ったときに私が高熱で寝込んだときは、薬とヨーグルトとオレンジジュースを買ってきてくれたり。優しいんですよ。

お話を伺っていて、太郎さんのことが大好きなのが伝わってくる、園子さん。対する、元々は独身主義だった太郎さんも、現在の園子さんとの結婚生活は「子供がいなくても楽しい」とおっしゃいます。

 

太郎さん:結婚してよかったと思います。ひとりで暮らしているときは自由すぎたけど、今は制限ができたことでいろんなことが定まった気がします。自分が家を買うなんて思ったこともなかったし。独身時代はフリーランスだったけれど結婚してから就職して、その選択も、ひとりだったらしていなかったかもしれません。

毎晩、1日の終わりにはふたりでパピコを半分こして一緒にNetflixを観るのが日課。

園子さん:一緒に「可愛いね」、「美味しいね」という時間を共有するのが夫婦円満の秘訣です。ペットを飼っているのも大きいかもしれませんね。

ところで、園子さんと同い年の私は、最近、籍を入れなくても同棲でもいいのではないかと思うときがあるのですが、結婚と同棲って、何が違うのでしょうか。

園子さん:同棲していたときよりも、さらに自由になった気がします。ずっと一緒に居るという安心感ができたからなのかな。以前は旅行は一緒に行きたかったけど、結婚後は、お休みを別々に取って、私はモロッコ、太郎さんはバリに行く、なんてこともするようになりました。それでも、太郎さんがバリの綺麗な夕焼けの写真を送ってくれたり、私好みのお土産を買ってきたりしてくれることで、「私のことを思ってくれているんだな」と感じることができるので、さみしくないんですよね。

なるほど〜〜〜。たしかに、園子さんが同棲中に結婚にこだわったのも、単なる同棲だと、ケンカしたりしたときにあっさり別れてしまうことがあるから、とおっしゃっていましたもんね。

さかい:では、晩婚でよかったことって何かありますか?

園子さん:以前ならムカッとしたとき、相手が傷つくような言い方をあえてして、わからせようとしていました。でも今は大人になったので、そういう言い方は絶対にしません。それと、若いときは相手に「幸せにしてもらう」という姿勢があったと思うのですが、今はそうではなくて、ひとりで居ても充分ハッピーだけど、ふたりで居たらもっとハッピーだなと感じられるようになりました。ひとりで美味しいものを食べたら、「太郎さんにも食べさせてあげたいな」と自然と考えますし。

結婚したことで、お互いのベースができたというおふたり。同い年でバツイチの園子さんの幸せそうな姿に、「やっぱり結婚っていいな」と思った私。

今後、養子縁組が叶うかどうかはわからないけれど、こんなふたりのおうちに引き取られた子供は、きっと愛情いっぱい受けて育つんだろうな〜〜。

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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