皆さん、こんにちは。梅津奏です。
ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。
記念すべき第一回目のテーマは、「職場でのお菓子くばり問題」です。ぱちぱちぱち~!
職場でのお菓子くばりが苦痛です
「お菓子くばりってなに?」と思った方もいるかもしれませんね。エピソードを寄せてくれたのは、〔ミモレ編集室〕メンバーのアキコさん(40歳・会社員)。
職場でお客さんからいただくお菓子、同僚の旅行土産。それを、「これ、みんなに配ってもらえますか?」と頼まれるんです。
なぜ、いつも私に頼むのだろう。私が女性だから? 正社員じゃないから?
お菓子くばりって、私の仕事なんでしょうか。
わかります。私の職場でもありました、お菓子くばり。箱にメモでもつけて共有スペースに置いておけばいいと思うのですが(実際、最近はそういう対応がスタンダードです)、たいていアシスタント職の女性が一人一人の席を回ってお菓子を配ってくれていました。
お菓子くばりは仕事なのか?
この話のモヤモヤポイントは、お菓子くばりは仕事なのか? ということでしょうか。
お客さんが持参する手土産は、ビジネスを円滑に進めることが目的なんでしょうね。コミュニケーションを促進したり、相手へのお礼や配慮を示したり、業界によってはもしかしたらマナーに近い慣行になっているのかも。そう考えれば、仕事の範囲に入ると言えるでしょう。
同僚の旅行のお土産はどうでしょう。その人は、職場の人間関係を平和に保つためにわざわざ買ってきてくれるのでしょうから、広い意味では仕事なのかな。でも、お土産を用意することは義務ではありません。人それぞれの判断でやっていることですよね。
ふむふむ。では両方とも広い意味での仕事だとして、それは「誰がすべき仕事」なんだろう。
アキコさんの話を聞いた〔ミモレ編集室〕メンバーからも、この点について非常に熱を帯びたコメントが寄せられました。
お菓子を配るような雑用は女性がやるもの、という男性陣の思いが透けて見える。
ジェンダーだけでなく、正社員か非正規社員かの職種差別も感じる。
アキコさんのモヤモヤもその辺に理由があったようで、ある日、勇気を出して「お菓子くばりやめませんか」と声を上げたそうです。お客さんからお菓子を受け取った人や、お土産を買ってきた本人が配るか、給湯室に置いておいてほしい人が自由にとるかたちにしませんかと。
アキコさんの提案の意図をいまいち理解しない人もいたようですが、だんだん「お菓子くばりはしない」方向に職場の雰囲気は変わってきているとのことでした。勇気を出したアキコさん、素晴らしい!
お菓子くばりを拒否することは、相手にチャンスを与えること?
「手土産でビジネスをなんとかしようなんて時代遅れ」
「職場でお土産の交換なんて、本当は誰が求めているの?」
私が思うに、モヤモヤの本質はきっとそういうことでもなくて。
「ものごとの、本来の目的と手段がずれている」
「そのずれの部分に、自分が使われているようで気持ち悪い」
ということなんじゃないかと思うんです。
お客さんからの手土産は、「このお客さんと私たちの会社とはこういう関係なんだよ。このお菓子は、最近話題のお店に並んで買ってきてくれたんだって」と、担当者が説明しながら配った方が、印象が強く残るに決まっています。話を聞いた事務の担当者が、そのお客さんの仕事を以前よりも丁寧にやってくれるかもしれない。もちろん、同じ内容をメモに書いて共有スペースに置いておいたっていい。
旅行のお土産だって、「先週の休みに長野に行ってきまして。もう栗のお菓子が出ていたので買ってきました。栗、お好きですか?」と配ってもらった方が、コミュニケーションが盛り上がりますよね。普段業務であまり関わりのない人と話すきっかけにもなります。「いや、別に話したいわけではないし……」と言うなら、その人はお土産買ってこなくていいんじゃないでしょうか(笑)。
お菓子くばりの目的も深く考えず、勝手に「雑用係」認定している人にラフに投げちゃうなんて、もったいないことです。お菓子を受け取った人、買ってきた人にとって、お菓子くばりはチャンスになるのにね!
お菓子くばりに限らず、職場の業務分担って、「これはこの人がやるもの」という決めつけや思い込みも多いもの。それを、業務の「本来の目的」に照らして改めて考え直してみたら、意外なチャンスが発掘されたりするのではないかしら。皆さんはどう思いますか?
職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。
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