事故を起こしてしまったミゲルに懇願され彼の家までついて行ったアキ。そこで出会ったのはミゲルの宿のゲスト・ポーランド人のアギィ。これで丸く収まると思いきや、ミゲルの適当ぶりが炸裂!

 

漫画の中では「期待(expect)」という言葉にフォーカスしていますが、この旅行中だけでなく、海外生活の中で「約束」という言葉にも色々と考えさせられました。

「約束」という言葉を英語に直訳すると「promise」になります。ですが、この「promise(約束)」という言葉、他国では使われ方が日本語とはだいぶ違うようなのです。

会う約束、待ち合わせの約束、帰宅時間の約束、借りたものを返す約束……日本では日常的に沢山の約束をして、それを守ることで人と人の信頼関係が築かれていきます。もしも断りなくその約束と違う行動を取ったら、人間性まで疑われてしまうことは日本では常識かと思います。

ところが、タイに住んでいた頃、こんな事がありました。語学学校のクラスメイトと担任の先生と4人でクリスマスパーティーを開こうということになり、私が店を予約し時間を皆に知らせました。当日、幹事なので時間より少し早めにお店に到着し待っていると、待ち合わせ時間に来たのは韓国人の男性クラスメイトひとりだけ。タイ人の先生のひとりは1時間遅れ、もうひとりの先生は2時間遅れ。さらには誘ってない人までぞろぞろと集まり、全員が揃った様子になったのは23時過ぎでした。驚くべきことは、先生という立場の人が遅れてくることや勝手に人を誘ってやってくる事だけでなく、時間に遅れてきたことを誰も謝らないし、誰も咎めなかったことです。

そんな事がタイでも、オーストラリアでも、インド(標準)でもあり、その度に約束の意味を考えさせられてきたのですが、日本の約束と同じ感覚の外国人に殆ど会ったことがなく、どうやらマイノリティはこちらだぞと。

そんな中、どう捉えたら自分もその感覚に合わせられるのかを考えた末、「約束」を「promise」と訳すのではなく「plan」と約したほうが良いという結果に辿り着きました。そう考えると「単に俺の状況が変わっただけだから、アキも変えればいい」というミゲルの言葉にも頷けるのです。

とはいえ、散々「時間を守るのが日本の常識」などとのたまいているワタクシですが、実は時間を守るのが困難でして(時間通りに辿り着くための計算が出来ない&忘れ物を取りに帰る&電車の乗り間違え乗り過ごしをする)、30分の遅れは遅刻に入らない海外生活が性に合っているのでございます。なので、海外で日本人と約束をする時は、少し緊張してしまうのです。

 

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文・漫画/久保木亜紀