約束を破りながら期待するなと言い放ったミゲル。腹を立てたアキはアギィと一緒に部屋を出て「世界の果て」を目指すことに。

 

以前の私は、自分の行きたい場所には絶対行きたいし、行きたくない場所には絶対行きたくない(時間の無駄)と思う、団体行動やツアー旅行などが本当に向いていないタイプでした。

そんな私がこうして知り合ったばかりの見知らぬメンバーと楽しく旅ができたのは、もう自分で行き先を決める気力を失っていたということもありますが、ずっと自分がハンドルを握っていたら行きたい場所に自分のペースで行ける自由はあれど、その移動中の景色を楽しんだり、物思いに耽ったり、写真を撮ったりできない不自由さがあることにも、この時やっと気がつけたからでした。

そして何より、ひとりでいたら自分が興味のあるものしか知ることができないけれど、誰かとともに行動することで、その人が見つけた素敵なものや自分にない視点、感性に触れることができるという世界の広がりを感じることができたのでした。

この経験があったから、今、自分が望む望まないに関係なく、夫が見せてくれる世界に感謝と喜びを感じることができています。
 

 

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文・漫画/久保木亜紀