自分の意志や目的に強いこだわりを持っていたアキ。見知らぬメンバーで旅を続けるうちにハンドルを握らない自由を知っていく。「世界の終わり」に辿り着いて見た景色とは……

先が見えなくても、そこは終わりじゃない。絶望の淵に見えたもの。_img0
 

中学でイジメにあった時。アラサーで取引先の倒産で無一文になりかけた時。そして、アラフォーで誕生日にひとりぼっちで元カレの裏切りを知った時。この辛い人生を終わりにしたい……本気でそう思ったのはこの時が人生で三度目でした。

以前はそういう時、とりあえず生きる選択ができた後は、今この瞬間は大丈夫だからなんとかなると自分に言い聞かせ、状況が変わり傷が癒えるのをただ待つしかありませんでした。

ですが、このサン・ヴィンセンテ岬で「どんなに先が見えなくてもそこは終わりじゃない」と確信した日から、どんなに絶望してもどうせ生きる道を選ぶのならば、落ち込んだり悩んだりしているその時間さえもったいないと思えるようになりました。

最近で絶望を感じたのは、やはりこのパンデミックでしょうか。

29歳で大怪我をし(その時も絶望的でしたが)30歳でリハビリからの復帰を目指すという夫にとって大事な局面で、まさかの感染症世界的大流行。世界各地を飛びまわることでチャンスを得てきたのに、この先どうやって生きていこうか……

はい、この道は行き止まり! 他の道を行こう! 

そう言って気を緩めると落ち込みそうになる夫の尻を叩きつつ、どうしたって過ぎゆく人生をなるべく笑って生きられる様努めております。

 


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文・漫画/久保木亜紀