③コンスタントな貯蓄の仕組みをつくる
会社員なら毎月の収入がある程度見込めますが、フリーランスではそうはいきません。
取引先によって、報酬が振り込まれるタイミングが異なるため、同じように忙しく仕事をしていたとしても、ある月は収入が多く、ある月は非常に少ない、といったこともよくあります。
そうなると、貯蓄についてあいまいになるので要注意です。「収入が多かったら貯めよう」と思っても、収入が多い前後は忙しくなるものですし、貯蓄があとまわしになりがちだからです。
いつでもコンスタントに貯めていけるように、積み立てなど、毎月数万円ずつ、自動的に貯まる仕組みを必ずつくりましょう。
④いざというときの「まとまったお金」をつくる
万一、体調を崩して仕事ができなくなったとしても、有給休暇や傷病手当金などがないのがフリーランス。そのため、万一に備えて「まとまったお金」が必要です。
平均月収の6か月分以上、できれば1年分以上を貯めておくのが目安です。
本来は、その分を貯めてからフリーランスになりたいところですが、貯蓄がないままフリーランスになった場合は、貯蓄が足りないうちは、就業不能保険や所得補償保険などで、万一の時の生活費などを備えるのも選択肢です。
⑤老後資金をつくる仕組みを取り入れる
老後に受け取れる年金は、フリーランスは基本的に国民年金のみ(会社員はさらに厚生年金があります)。退職金もないので、自分で年金の上乗せや退職金がわりのお金を準備していく必要があります。
例えば、iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済(毎月積み立てていき、廃業や退職時にお金を受け取れる退職金のような制度)を利用するのがおすすめです。いずれも掛金が全額所得控除になるため、節税にもつながります。私自身も両方、長年利用しています。
フリーランスは、「こんなにいろいろな準備が必要なのか……」と気が重くなった方もいるかもしれません。
しかし定年退職がないので、元気で仕事があれば、いつまでも働くことができるというのは、寿命が延びた今の時代もあっていると感じます。自分が選んだ好きな仕事を続けられれば、それだけ充実した時間を長く過ごせるのもいい点ですよね。
そういったメリットを上手に活かしながら、デメリットをうまくカバーして、自分らしい働き方を目指したいですね。
『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』
著者:西山美紀 主婦の友社 定価1300円(税別)
ISBN 978-4074470891
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構成/片岡千晶
前回記事「子供の将来が不安にならない「教育費の貯め方の正解」とは?」>>
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