さて、遅ればせながら、このへんで本作のあらすじを大まかに説明しておきます。本作は、裕福な家に生まれ、「お金があればなんでも解決できる」と思っている女性起業家・氷河衛が、愛に溢れた家庭で育つも、お金がない貧乏専門学生・春野優と出会う。しかし、優に出会った時、衛は人生最大のピンチを迎えていて……。同志の裏切りにより、生まれて初めて一文なしになってしまった彼女が、春の優しさで、氷のように凍っていた心を溶かしていく(?)というストーリー。本当に大切なものは、お金なのか? 愛なのか? 色々なことを考えさせられるドラマになりそうです。

 

これまでも、世間知らずのお金持ちが貧乏人と出逢い、お金よりも大事なものに気付いていく物語はありましたが、『SUPER RICH』は、そうは描かない。お金で苦労してきた優は、「お金がなくても、愛があれば幸せ」なんて安易なことは言わないし、「お金は可能性」だと話している。そこに、リアリティを感じて惹き込まれます。

第1話が放送されている時に感じたのが、『SUPER RICH』は2012年放送のドラマ『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系、以下『リッチマン』)の男女逆転版なのでは!? ということ。『リッチマン』は、就職先が見つからない東大生・夏井真琴<澤木千尋>(石原さとみ)が、リッチなIT社長・日向徹(小栗旬)と出会うことで成長していく(ある意味での)シンデレラストーリー。『SUPER RICH』の優は、インターンの志願をしているだけで、衛の会社に入社することはできていませんが、おそらく真琴と同じく右腕のような活躍を見せていくのではないでしょうか。(衛の忠犬・町田啓太とのバチバチのバトルが見たい……!)

また、『リッチマン』の主題歌「ヒカリへ」(miwa)に、<たとえ世界中の声なき声に責められたとしても 私が全部受け止めてあげる>という歌詞が登場するのですが、すごく日向と真琴の関係にリンクしていたんですよね。日向も、衛と同じく親友に裏切られて、人生のどん底まで落ちるのですが、真琴はずっと寄り添っていた。衛にとっては、優がそんな存在になっていく気がします。だって、あんなにやつれていた衛が、優と一緒にラーメンを食べていた時は、笑えていたんですもん。恋愛に発展するとかはさておき、そういう出逢いを運命と呼ぶのでしょうね。

華やかな生活から、一気に失墜……。衛の生活は、初回からかなりのスピード感で急降下してしまいました。ここから這い上がっていく彼女の姿が作品の見どころになっていくのでしょう。きっと衛は、「このままでは終わらない女」ですから、どのようなサクセスストーリーになっていくのか。毎週木曜日の夜に、「私も頑張ろう」と背中を押してくれる作品になること間違いなし!


前回記事「『真犯人フラグ』一番怪しいのは誰?さっそく深読み考察!」はこちら>>

 
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