フリーアナウンサー馬場典子が気持ちが伝わる、きっともっと言葉が好きになる“言葉づかい”のヒントをお届けします。

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先週、結婚に伴い皇籍を離れられた小室眞子さん。赤坂御所を発たれる際の慎ましやかな薔薇のブーケがとてもお似合いでした。
そこで抱擁された佳子さまのお姿は、新鮮に映りました。

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写真:代表撮影/AP/アフロ

皆さまお気づきのように、皇室を離れられた10月26日から、眞子さまの敬称は「さん」に変わり、仲睦まじいお二人の様子は、「眞子さんと佳子さま」と報道されました。

 

上皇后ご夫妻の初孫でもあり、可愛らしいお辞儀なども記憶に残る眞子さんに対して、おそらく多くの方が今も変わらず「眞子さま」の方がしっくりくるのではないでしょうか。
また、姉妹で敬称が異なることに慣れない方も少なくなかったと思うのですが、報道する場合は、個人差のある「感覚」に頼るわけにはいかず、それぞれのお立場によって、敬称が使い分けられます。


放送界では、皇室にまつわる報道で、言葉遣いのルールがあります。
一つは、戦前のような皇室特有の敬語ではなく、国民一般と同じ敬語を使うこと。

玉音は、お声。
御料車は、お車。
お召し列車は、特別列車。
行幸は、ご旅行。
思し召しは、お気持ちやお考え。
などに、言い換えるようになりました。

もう一つは、主語が同じである場合、敬語は1センテンスに一つにする、ということです。

NHKのニュースを例にとりますと、
「眞子さまは、お住まいのある赤坂御用地を車で出発し、25日午前10時半前、上皇ご夫妻の仮住まい先である東京 港区の仙洞仮御所に入られました」

最後に「入られました」となるので、
途中は「お車で出発され」とはしないのですね。

個人的には、1センテンスに一つだけだと、時にドライに感じて、二つくらいの方が落ち着くかも、と思うこともあるのですが、やはりこうした「感覚」は基準には向いていません。

日テレ時代、こうしたルールの背景には、過剰な敬語にならないように、堅苦しくならないように気をつけることで、皇室に対して親しみを持ちやすくなる、という意図もある、と学びました。

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