フリーアナウンサー馬場典子が気持ちが伝わる、きっともっと言葉が好きになる“言葉づかい”のヒントをお届けします。

 

ワインを理解するのに必要だった言葉の「脳内変換」。
といえば、河津さんという気象予報士の方のTwitterが分かりやすいかと思います。
 関東で雪→山しか降らない
 関東平野部で雪→北関東しか降らない
 都内で雪→青梅しか降らない
 23区内で雪→練馬で降るかなくらい
 都心で雪→寒いだけ
 都心で積雪のおそれ→電車遅れるかも
 都心でも大雪のおそれ→電車止まるかも
 脳内変換よろしく
こんな投稿が話題になりました。

ワインの場合。
例えば、「成熟」と「熟成」。
前後をひっくり返しただけの、似ている言葉なのですが、
「成熟度」はぶどうの出来栄えのこと。
「熟成」は、ワインの状態を言います。

ナパバレーの95%が家族経営とのこと。昨年の山火事で大切なぶどうの木や醸造所を失ったり……大きな被害に遭われたところも少なくなかったそうです。

これが、味わいのバランスとなると、
赤の場合、「スマートな」「骨格のしっかりした」「固い」「痩せた、渇いた」「豊満な」「ジューシーな」「力強い」「流れるような」「ふくよかな」などで表現されるのですが、捉え方に個人差のある言葉が多い印象です。

 

また、「スマート」「骨格」「豊満」といった体型を表すような表現と、「ジューシー」「力強い」「流れる」といったテクスチャーを表すような表現が混在しているので、昨年は、何となくの感覚だけで、掴みきれませんでした。

今年、これらは「酸味・渋み」と「果実味・アルコール・残糖」とのバランスによって、選ぶ言葉が決まる、と教わってからは、頭の中もスッキリ。自分が感じた味わいを脳内変換して、選択肢に落とし込んでいけるようになりました。

樹液が溢れ出す3月。

昨年落ちた時にはちょっと凹みましたが、万が一、ただのラッキーで受かっていたら、知識と体験(味覚)が結びつくことはなかったと思います。(そもそもそれが出来ていれば、難なく受かっていたわけですが。笑)
言葉選びの難しさとともに、好きな産地の好きなぶどうを1〜2杯飲んでいるだけでは知ることのなかった、ワインの世界の広がりや奥深さを感じることができました。

広々ワイナリーは、そこにいるだけで、気分も晴れやかになります。

試験前の現実逃避でこんな話を書いてしまったのですが、前編が公開されるちょうど前日、二次試験のテイスティングに再挑戦しました。
結果発表は、明日。
ドキドキです。

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