皆さん、こんにちは。梅津奏です。

ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのもやもやエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、SNSコミュニケーションの代表選手、「LINE」でのグループトークで発生したモヤモヤエピソードです。

 


「了解しました」スタンプの連打で、未読10件!


エピソードを寄せてくださったのは、中学生と小学生のお子さん二人を育てるユリコさん(45歳、公務員)。

仕事関係や、子供の習い事、部活、PTAなどたくさんのLINEグループに入っています。やりとりの流れも見えるし、気楽に使えて便利ですが、モヤモヤするのが「LINEスタンプ問題」。

連絡事項を投稿したときなどに、メンバーから次々に「了解しました」「ありがとう」を意味するスタンプが押されます。iPhoneの通知がピコンピコンと鳴り続けるけれど、大事な連絡に気づけないと困るから通知機能は切れない。ささいなことですが、ちょっとしたストレスです。スタンプで返事、必要なんでしょうか。


うわ~、分かります。私も複数のコミュニティでLINEグループに入っていて、イベント前などはふと気づくと「未読30件」とか表示されていてビビることも。トーク画面がスタンプで埋め尽くされて、大事な連絡事項がなかなか見つからないなんてことも……。

 


私たちのモヤモヤの対岸には、「みんな、読んでくれている?」というモヤモヤがある


エピソードを読んで、「うわ~、分かる!」と思うのと同時に、「いや、反対側の気持ちも同じくらいよく分かるな」と思った自分がいました。

「明日は8時に東京駅集合です」「先日の精算は一人2000円です」などと投稿する場合、「みんな、ちゃんと読んで了解してくれただろうか」がどうしても気になる。後から、「あれ、忘れてた! ごめん!」と言い出すのは、無言スルー派の一人だったりします。


……もう一歩、(勇気をだして)踏みこんでみます。

段取りをつけたり精算を立て替えたりした身からすると、「ありがとう」がなく無言スルーされると、その後とどこおりなく事が済んだとしても、なんだかモヤっとした気持ちが残る……かも。律儀にスタンプを押すタイプの人からしても、「ちゃんと感謝していること、了解したことを伝えなくちゃ失礼だわ」と思って押しているのかもしれないですね。


……でもねえ。画面いっぱいのスタンプって、結構疲れる絵なんですよねえ。モヤモヤ。

これはもはや、LINEシステムの機能アップデート(グループトークでも誰が既読をつけたかわかるようになるとか?)を待つしかないのでしょうか?


どんなことで安心するのか、どんなことが不快なのかは人それぞれ


今回のモヤモヤのような、「どちらの意見・気持ちも分かる」という難しい問題に向き合ったときに思い出す寓話があります。学生時代に、交渉術を学ぶゼミの講義で聞いた話です。

「一つしかないリンゴを奪い合うAさんとBさん。喧嘩別れしそうになったところでよくよく話を聞いてみたら、Aさんはリンゴの皮でアップルティーが作りたくて、Bさんはリンゴの実でアップルパイが作りたかったということがわかった。さっさと皮剥いて分けたらよかったやん!」

「私は本当は何を求めているのか」をちゃんと相手に伝えられていたら、無駄に争うこともモヤモヤすることもなかったのにね、という教訓がある話ですね。


こんなにきれいに解決することばかりだとは思いませんが、「LINEスタンプ問題」も同じように考えられないでしょうか。

「LINEスタンプ、いらないんじゃない?」派の本音は、「ただでさえ忙しいのにLINEの通知に煩わされたくない」「スタンプのせいで重要なメッセージが探しにくくなる」。

「LINEスタンプ、押してほしい」派の本音は、「自分の投稿をメンバーが読んでくれているか不安」「反応がないと寂しい」。

グループのメンバーと相談して、「連絡事項に対して質問やコメントがある場合のみ返信、内容に異論がなければノーリアクションでOK」「期限までにノーリアクションだった場合は、了解という意味」というルールをつくるとか、いつも仕切ってくれる人には他の機会にしっかり感謝を伝えるとか。


このLINEスタンプ問題って、お役所のハンコ問題にも似ています。大事なのは、相手を信頼しよう、理解しようとする姿勢かな。皆さんは、LINEスタンプをどのように使っていますか?

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!
職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。
 
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構成・文/梅津 奏

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