繊細さに悩むHPSの多くは内向型

飲み会は楽しいけれど、家に帰るとぐったり...外交社会に適応する「隠れ内向」タイプとは?_img2
 

ここまでの内容を読んだ人の中には、
「これって最近話題になったHSPのことじゃない?」
と思う人もいるはずです。

アメリカの心理学者アーロンによって提唱されたHSP(Highly Sensitive Person)とかHSC(Highly Sensitive Child)という概念が、数年前から一般の人々の間に広く知られるようになりました。

そのきっかけとなったのが『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(武田友紀著・飛鳥新社)という本です。HSPを共感を得やすい呼び方に言い換えたことで、多くの人が身近に感じたのでしょう。

HSPに関する本が多くの人の関心を引いたということは、ちょっとしたことがすごく気になってしまい、不安になったり落ち込んだり悩んだりする人、つまり「自分は繊細すぎてつらい」「この繊細すぎる性格、何とかできないものか」と思っている人が、日本には非常に多いことを意味します。

HSPというのは、人に対する繊細さや、音や光などに対する敏感さによって特徴づけられる人のことで、その子ども版がHSCです。

 


内向型やHSPの人がもつ知られざる強みとは?


アーロンは、他の人が気にしないような些細なことも気になり、ストレスを溜め込んでしまうHSPの特徴について、つぎのような例をあげています。

「大半の人は、サイレン、まぶしい光、変なにおい、乱雑な状況をやり過ごせるが、HSPはそうではない。
大半の人は、一日中ショッピングモールや博物館を回って疲れていても、夜にパーティがあると言われれば参加できるが、HSPはひとりの時間がほしくなる。気分が高ぶりすぎて混乱してしまうのだ。
大半の人は、部屋に入ると家具やそこにいる人たちに目を留める程度だが、HSPはそこにいる人たちの望みや、気分、好意や敵意、風通しのよさや、空気のよどみ具合まで即座にキャッチし、花を生けた人の性格にまで思いを馳せる」(E・N・アーロン著 片桐恵理子訳『敏感すぎる私の活かし方』パンローリング株式会社)

この真ん中の事例が、とくに内向型と重なる心理傾向のように思えます。