この話を子供たちにした覚えはなかったんですけど、あの浮気事件のちょっとあとに息子が「ママは小さい頃、大変な思いをして生きてきたんだから、今パパが幸せにしなくてどうするの?」って言ってくれたんです。もう感動しちゃいました。

子供って親が気付かないうちに色々感じて、色々経験して。親の中では、子供たちっていつまでも子供のままじゃないですか。それがこんなに成長したんだっていうのを嬉しく感じました。息子にこんなことを言わせるなんて、この時ばかりは「パパは一体何をやってるんだか……」と思わずにはいられませんでしたよ。

こういう気持ちは、子供たちがいなかったら絶対に得られないものでした。息子と娘がいたから、私たちは今日も楽しくすごせているんだと思います。まだあれから2年半ですが、これからもこの楽しい毎日が当たり前であるといいなと願うばかりです。
 

浮気をした夫を持つ妻として

 

3回目の浮気の前までは、ちょっとした口論になった時に私が過去の浮気話を持ち出して、話が余計に拗れるということを繰り返していました。そういう時って、私のほうも怒っているから「相手を言い負かしてやろう」じゃないけど、どこかそういう風に考えていたんでしょうね。

 

でも3回目の浮気がわかった時、「いつまでも同じところを突いているからこうなったのかもしれない」って気付きました。あの頃は、何も前には進んでいなかったんですよね。

それにいつまでもそのことに囚われているうちは、本当に大切な人たちを大事にできないんだなって思って。

私にとっては、夫とかわいい子供たちが大切なんです。そう思ったら自然と、これからの4人での暮らしがどうしたら幸せになるかを考えられるようになったというか。過去に縛られてしまうことは簡単だけど、そのぶん自分の幸せ像って見失いがちになっちゃうんですよ。

ただこれだけは言えることですが、また同じことがあったらその先はわかりません。付き合っていた時と、子供たちが小さい頃にした夫の浮気に関しては、「もし次したら……」って考えていたんです。もう次の浮気について考えちゃってる時点で、次があるって思い込んでいたんですよね。2回目でそう思っていたら実際次があったんですから。