AKB48で不動のセンターとして活躍し、卒業後は女優としてキャリアを重ねている前田敦子さん。結婚、出産、所属事務所からの独立、離婚、とここ数年でめまぐるしい変化を経験している彼女が、初のフォトエッセイ『明け方の空』を上梓しました。30歳という節目を迎えるにあたり、前田さんの“今”を切り取ったとっておきの撮り下ろし写真とともに、仕事のこと、日々の暮らしのこと、子育て、さらには恋愛観まで、等身大の思いが綴られています。

 


離婚後は親として最高のタッグを組めている


「毎日子どもと一緒に笑い転げながら生きている」と綴った前田さん。シングルマザーとしての日々は、とても充実していると語ります。

「離婚してからの方が私たちはうまくいっています。なんでも話せる親友みたいな存在で……面白いですよね。二人で、息子のあそこが可愛い、ここが面白いとか親バカ同士で盛り上がり、“息子が笑顔でいられることを大切にしようぜ”って。親としては最高のタッグを組めています。本当の意味で信頼関係が築けたら、結婚届はいらないじゃないかと思ったりもします」

 

メディアで度々発言しているように、元夫との関係は良好だという前田さん。離婚する少し前、15年間所属した事務所を独立した時のことについてはこう書いています。

「今、自分にとって最良の居場所を確保しないと、子どもが悩みを抱えるような年頃になった時、うまく向き合ってあげられないかもしれない。そんなの絶対に嫌だったので、“今でしょ!”と思ったタイミングで独立することを決意。準備が整ったと同時に保育園も決まり、今の新たな仕事のやり方で無事スタートできました」


インターネットはプラスになることに使った方が有意義で明るい


インタビューでは、表に出る仕事ゆえ、プライベートを好き勝手に書かれることへの葛藤も吐露しています。一人歩きしている前田さんの“ストイックで気が強い”というイメージについては「気が弱くはないけれど、実際とはだいぶかけ離れている気がします」という本音も。また、安定期に入るまでは絶対に公表したくなかったという妊娠時のエピソードでは「妊娠ってとてもプライベートなことなのに、どうして世間に発表しなければいけないんだろうとずっと思っていました。私は授かり婚でしたが、安定期に入っていなかったから世間にお知らせするのが遅くなって。当時は“できちゃった婚を隠していた”と言われていたようですが、そういうことではないんです。世の中に“妊娠しました!”と報告しないといけないような風潮は変わってほしいと思っています」

 

「インターネット上の真偽のわからない情報ではなく、自分の目でちゃんと見て、感じたものを信じられる世の中になってほしいなと考えていますし、心からそう願っています。インターネットは、楽しいことや夢中になれること、未来のためにプラスになる行動や勉強、情報収集に使った方がとっても有意義で明るいことですよね。なによりも意味のある時間になりますから」