ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、アラフォーで結婚した男性に結婚の決め手を伺いました。
婚活界隈では、「婚活をやめた途端結婚できた」という話をよく耳にしますが、実は修一さんも、数年婚活を続けてきて、「婚活はもういいかな」と思い始めた時期に、幼馴染から加奈さんを紹介されたそう。
修一さん:あの、いわば恋愛の修行時代があったからこそ、「居心地がいい人がいいな」という自分が結婚に求めているものがはっきりして、加奈さんに会ってすぐに「この人と結婚したい」と思えたんじゃないかなと。
なるほど、婚活は自分探しの一環でもあるということなのですね。だからこそ、長く婚活してきた人がやめると、身近に居た相手の良さに気づいて結婚する、なんてことが起きるのでしょうか。探し続けていたものが実はすぐ近くにあった、なんて、なんだか「青い鳥」のお話みたいですね。
修一さん:ほんとにそんな感じです。いろんな国を旅してきたけど、やっぱりここが自分のホームで居心地がいいな、と気づくという感覚に近いでしょうか。
さて、加奈さんとの結婚を決めてからはすべてがスムーズに進行。
向こうの両親に挨拶に行き、結納後、3ヶ月で入籍と同居をスタート。その3ヶ月後には都内の某ホテルで挙式し、新婚旅行はヨーロッパへ。
実はふたりとも40年近く生きてきて、ひとり暮らしはしてきたけれど同棲経験ナシ。結婚当初は「本当に他人と同居生活でやっていけるのだろうか」という不安があったそう。しかしそれもすぐに慣れ、翌年にはお子さんを授かり、そのまた翌年には、都内某所に一軒家を購入。家を買ったのは、器職人である奥様が家で器の教室を開くため、という奥様想いの修一さん。結婚したのはアラフォーになってからのいわゆる「晩婚」ではありますが、めちゃくちゃ順調な人生を歩んでいるのです。
36歳で結婚し、37歳で娘を授かり、38歳で家を購入。30代後半で人生の大きなイベントを駆け足でクリアしていっている彼。父親になったことで、心の支えができて、より落ち着き、仕事をがんばれるようになったと言います。
ちなみに、修一さんが結婚向きの「いい旦那さんになりそうなタイプ」だと感じた私と友人は、以前、婚活中のアラフォー女性に修一さんを紹介したことがあります。そのとき修一さんはその女性に好感を抱いたようなのですが、恋には発展せず。その女性はまだ独身なんですよね。だから、ご縁って本当に不思議だし難しいものだなと感じます。お互い結婚したくて条件が合うから「じゃあ結婚しましょう」となるわけではないのですもの。結婚までたどり着くってきっと、よっぽどご縁がある相手なんでしょうね。
修一さん:リビングで妻と娘が遊んでいるところを見ると、ああ、きっと僕はいつか死ぬとき、これを人生でいちばん幸せなシーンとして思い出すんだろうな、と思ったりします。
離婚して若干男性不信なところがある私に、この修一さんの言葉はグッと来ました。そうか、世の中にはこんな風に家族思いの堅実で真面目な男性もいるんだな。こういう人と結婚したら、きっと幸せなんだろうな。
お子さんができて「妻の立場がより強くなった感じ。我が家の操縦桿を握っているのは妻ですね」と笑う彼は、とっても幸せそう。仕事が忙しくなって平日は家事や育児ができないため妻に申し訳なく感じていて、週末は積極的にやるようにしている、とも。
さかい:結婚してよかったと思うのはどんなときですか?
修一さん:自分以外の人間が常にそばに居て話し相手になってくれるから、色々悩んでいるときも気が紛れてリフレッシュできます。僕はひとりで考えてしまうタイプなので。
穏やかな結婚生活を送っている修一さんのお話を伺っていたら、改めて、「結婚っていいものだな」と思えたのでした。
構成/川端里恵(編集部)
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