ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、お互いにまだ深く知り合っていない場面や、不特定多数に自分のことを発信する場面で目撃しがちな「うっかり事故」のモヤモヤです。

 

 

誰かの「挫折エピソード」は、誰かの「挫折じゃないエピソード」?


エピソードをお寄せくださったのは、子育て集中期間を経て仕事を再開したばかりのマリさん(43歳・フリーランス)。

最近、若い世代の起業家や起業したいという意欲を持った方々と知り合う機会がありました。その中の一人がとても明るく元気で、お喋りも盛り上がり楽しい時間を過ごしました。

後日、改めてのご挨拶と自己紹介ということでメールが届き。「丁寧な人だな~」と拝見したら、書かれていたご自身の経歴にモヤついてしまったんです。挫折から始まるストーリーという風に構成されていて、その挫折が「親の強い希望により、地元の大学に進学しなくてはいけなかったこと」。

そこ、私の出身大学なんです……! その方にとっては挫折であっても、私にとっては挫折じゃないんだけどなあと、ちょっと悲しい気持ちになりました。

うわあ、やってしまった~!

これ、後から気づいたらとっても気まずいやつですね。マリさんの立場だったら、どう対応するのが正解なのだろう。そして自己紹介する側であれば、どうすればこんなモヤモヤシーンを回避できたのでしょうか?

 


見るべきはカンペではなく目の前の相手。自分の「テンプレ」に頼り過ぎない。


こういう、「積極的な悪意や過失」がない事故って、ある程度は仕方ないですよね。全方位から好意的に受け取られるプレゼンテーションなんて多分この世にはない。そして、あっちにもこっちにも目配せした話って、たいがいは気配りの程度と反比例してツマラナイ。


気を付けるべきことがあるとすれば、自分の「テンプレート」に頼り過ぎないということかなと思います。

自己紹介とか営業トークとかスピーチとか、事前にカンニングペーパーを作ることがありますよね。(私は作るタイプです)

実際に紙に書かなかったとしても、何度も繰り返しているうちに定型文言化してきて、スイッチが入ると口からいつもの「テンプレ」が自動再生……みたいな経験はないでしょうか。

事前に言いたいことを準備するのは大事。でも、それをどんな場所、相手、状況でも全く同じように話すというのはどうなんでしょう。

「今、私の目の前にいる人はどんな人だろうか」
「この文章を目にするのは、どんな人だろうか」

そういう想像力を働かせてみれば、自分の「テンプレ」に赤字を入れる箇所が見えてきます。言葉選びや話の運び方などを調整するという工夫こそ相手への思いやり。そしてもちろん、ひっかかりなく話が伝わることは、話し手である自分の利益にもなる。私たちがしたいのは壁打ちではなくキャッチボールだから。(ですよね?)

「配慮」には絶対に限界がある。大切なのは「リカバリー能力」


大昔、仕事バリバリの先輩に言われたことがあります。

「俺は仕事のスキルが高い訳ではないよ。強みがあるとすれば、リカバリー能力かな」

その人は、「策を練って練って慎重に仕事をする」タイプではありませんでした。

会社から課される予算は大きく、スケジュールは常にパンパン。配慮に配慮を重ねて用意周到に仕事をするには、あまりに時間が無かったのだと思います。そうするともちろん、小さな誤解やコミュニケーションミスは生まれてくる。横で見ていた私はその一つ一つにヒヤヒヤしましたが、その人の対応は実に見事でした。

まず、「すぐに、全身全霊で謝罪する」。そして、「腹を割ったシンプルな言葉で事態を紐解く」。ポイントは、「スピード感」と「ごまかさない」こと。


マリさんとその若い起業家の方が、もし今後もやりとりを続ける関係なのだとすれば、きっとこの話をする機会がどこかであることでしょう。

コミュニケーションって難しいけれど、「一発勝負」では必ずしもないはずです。

「やり直し」だって、「延長戦」だって、きっとある。一回の失敗で心折れずに、間違ったら謝り、モヤついたら正直にそれを伝え、二人で試行錯誤しながら二人の関係を築いていければいいですよね。「うっかり事故」を共に乗り越えた相手ほど、強い絆で結ばれるということだってあるかもしれません。


「考え過ぎるな! ミスったら一緒に謝るから!」

マリさんのエピソードを読んで、先輩の大声とあんまり頼りにならない笑顔を思い出しました(笑)。皆さんの、「コミュニケーションのモヤモヤ」を晴らしてくれる魔法の言葉などあればお伺いしたいです♪

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!

職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。

応募する

〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。

構成・文/梅津 奏

前回記事「【共感おばけ問題】嬉しい共感と嬉しくない共感、その境界線は?」>>