ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、「マイク泥棒」問題第二弾。男性からこれを言われると、モヤモヤを通り越して爆発してしまいそうになるエピソードをご紹介します。

 


夫「いや~、それは男性だって同じだよ」私「……(同じなの?)」


エピソードをお寄せくださったのは、小学生のお子さんを育てるワーキングマザーのヨシエさん。(45歳・会社員)
 

働く母歴12年の私。ずっとモヤモヤしてきたことを書かせていただきます。

日々家庭と仕事の両立に奮闘していて頻繁に頭をよぎるのが、「なぜ女性ばっかり」という思い。セクハラや性犯罪被害。私の世代ではまだまだ根強い家事負担の夫婦間アンバランス問題。職場でも「女性にばかり『気働き』が求められている」と感じることも。

ときたま、夫にそういう話をすることがあります。しかし返ってくるのは、「いや、それを言ったら男性だって同じようなことがあるよ」という反撃。男性だってセクハラされることはある、男性だって職場で大変なんだ、男性だって気は遣っている……。

もちろん、男性特有の辛さを否定したいわけじゃありません。でも、「同じじゃないでしょ?」と思ってしまうんです。それをうまく夫に説明できなくてモヤモヤしているのを、思い切って書いてしまいました。


ヨシエさん、ありがとうございます。なんだかもっともらしく反論されてしまうと、とっさにうまく言い返せなくてモヤモヤを飲み込んでしまうこと、ありますよね。

 


背後にあるのは、チーム・マジョリティの潜在的な恐怖心?


「社会における女性の不自由」が話題になると、妙にムキになって(もしくは、妙に「視野が広い人」風に装って)、「いやいや、男性にも同じようなことがある」と話し始める人がたまにいます。

そういう人を目撃するたびに、「普段は論理的であることをウリにしている人なのに、なぜこの話題になると論理性を失うのだろう」と不思議に思います。女性の不自由さと男性の不自由さはまったく別もののはずなのに、「いやいや、オレたちも」と上からかぶせてくるのはなぜなのだろう? 先日このモヤモヤ連載でご紹介した「共感マイク泥棒」と似ていますが、深層心理のもっともっと奥の方に、何かがある気がしてしまいます。


それはもしかしたら、これまでずっと「社会のマジョリティチーム」だった彼らの、潜在的な防衛本能・恐怖心なのかもしれません。

「女性の不自由」に耳を傾けてしまうと、「男性の構造的優位性」に気づいてしまうと、今の自分の立ち位置が脅かされるかもしれない、と思ってしまっているのかな。

……でもね。歴代64人いる総理大臣が全部男性で、上場企業社長の女性比率1.1%の国で、「社会における女性の不自由」が男性のそれと同レベルだと思う論理の方が、なかなか無理筋な気がするのは私だけでしょうか。ゲームでも、ルールメイカーが一番強いじゃないですか。社会や組織のルールを作る人たちは、意識的にも無意識でも、自分たち(と自分たちが所属するチーム)に有利なルールを作るものじゃないんでしょうか。
 

アイデア募集!「みんな、どうする?」


とはいえ、言っている当人は「僕は論理的だ」「僕は公平な視点でものを言っている」と思いこんでいるケースが多いのも、この問題のやっかいなところです。ヨシエさんが言う通り、男性が感じている彼ら特有の不自由さを否定したいわけではないですし。私たちは、「論点のすり替え」をしてほしくないだけ。

もちろん、しっかり論理武装した上でガチンコ議論しにいくのもいいでしょう。私も一度、本気出してやってみたいものです。かかってこいや~!(いや、そんな機会が今後一切こないのが一番いいのですが)


そこまでアグレッシブにならなくても、私がたまにやるのは「相槌を打たない」「首をかしげる」の二つ。

とっさに返す言葉が浮かばなかったり、瞬間的に頭に血がのぼって絶句してしまうこともままあります。でも、「私はあなたの言葉に違和感を感じています」ということだけでもどうにかして伝えたい。

安易に相槌を打たない。
無意識にニコっとしない。
言葉は出てこなくても、黙って首をかしげる。

そんな無言のジェスチャーによって、「同意しません」アピールをするというのが私のミニマムの対応。それで相手の勢いに水を差した上で、落ち着いてきた頭で冷静に話し合いたいです。


皆さんは、こんな場面に遭遇したらどんな風に対応しますか? ぜひ、教えていただけたら嬉しいです。真似します!

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!

職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。

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〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。

構成・文/梅津 奏

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