政府がマイナンバーカードを取得した人に最大2万円のポイントを付与する「マイナポイント事業」の評判が良くありません。もらえるものはもらいたいと考える人もいますが、税金のムダ遣いだと批判する人も少なくありません。マイナンバーカードとマイナンバーの違いが分からないので、良いことか悪いことか評価できないという声も聞かれます。
マイナンバーは国内に住民票を持つ人に付与される12ケタの番号です。以前の日本では各省庁がそれぞれ個別に管理番号を付与するなど、統一基準による管理ができていませんでした。これは非常に効率が悪く、IT化も阻害するということから、マイナンバーの付与が検討されてきました。
様々な議論を経て、マイナンバー制度そのものは2016年から本格的な運用が始まっています。私たちは皆、12ケタの番号を持っていますから、行政手続きを統一基準の番号で管理するという目的はすでに達成されたと考えてよいでしょう。
今回、議論となっているのはマイナンバーそのものではなく、マイナンバーに関連した情報が格納されるマイナンバーカードについてです。マイナンバーカードは、ICチップが入ったプラスチック製のカードで、カードの表面にはマイナンバーのほか、氏名、住所、生年月日などの個人情報が記されているほか、顔写真も付いています。
マイナンバーカードを持っていけば、役所の窓口などで本人確認書類を提出する必要がなくなるなど、より便利になるといわれています。このため政府は積極的な利用を呼びかけているのですが、国民の反応はいまひとつです。
すでに多くの人が免許証などを保有しているので、マイナンバーカードがないと本人確認が面倒だという人は少数派でしょう。病院に行く時に健康保険証を持っていくのが面倒で困っているという人もほとんどいないと思います。多くの国民があまりメリットを感じていないというのが現実ですから、普及も進んでいません。
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