昨年に引き続き、今年もコロナ危機が終息しない中で新年を迎えることになりました。新しい変異株である「オミクロン株」の拡大が懸念されていますから安易な期待は禁物ですが、一方でコロナの感染も3年目に突入しています。そろそろ終息に向けて気持ちを切り換える準備をしてもよいタイミングではないかと思います(大正時代に大流行し、今回とよく似た感染症だったスペイン風邪は3年で終息しました)。

ウイルスの感染拡大によって私たちの生活習慣や価値観は大きな変化を余儀なくされました。感染が終息すれば多くが元に戻るはずですが、変化の一部は今後も継続し、新しい習慣や価値観として定着する可能性が高いと思われます。私たちは、それを前提に今後の計画を立てた方がよいでしょう。

 

コロナ危機による価値観の変化がもっとも大きかったのは、やはり仕事に関する事柄ではないでしょうか。

 

感染症のような病気が流行すると、日頃、隠されていたホンネが露呈することがあります。これまで明確に意識する機会がなかったかもしれませんが、自身が勤務している会社は、本当に社員を守ってくれるのか疑問を感じた人は少なくないと思います。

一足先に経済が回復している米国では、企業が高給を提示して求人に躍起となっていますが、思うように人材が集まらないという問題に直面しています。米国政府は多額の給付金を国民に配りましたから、生活に余裕のある労働者が多いという指摘もありますが、人が集まらないのはそれだけが理由ではありません。

コロナをきっかけに従来の働き方について疑問を持った人が多く、今後のキャリアを慎重に考えているため、簡単には求人に応じないのです。年収が下がってもよいので人の役に立つ仕事をしたいと考える人が増えており、社会起業家のような形で独立するケースも目立ちます。

日本と米国では経済的な状況に違いがありますから、米国人のように行動できる日本人は少ないかもしれませんが、少なくともコロナをきっかけに自身の仕事について見つめ直した人は多いはずです。

最近、中高年を対象にした希望退職を募る企業が増えていますが、コロナをきっかけに日本の雇用制度も大きく変わりそうです。長い目で見てどのようなキャリアを作ればよいのか、自問自答してみるのも良いでしょう。

感染防止の観点から、会社での飲み会が減ったことなどを受けて、交友関係にも大きな変化がありました。

 
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