40代になって人生を見つめ直し、「これからは、自分の人生を生きたい」と考え始める人は多いようです。
これまで専業主婦として生きてきたり、夫の扶養に入っている女性の中にはこんな葛藤を抱える人たちも……。
「パートをしているけれど、夫の扶養から抜けて夫と対等になりたい」
「出産を機に仕事を手放したけれど、やっぱり社会の中で自分を確立したい」
「離婚を考えているけれど、専業主婦なので離婚できない」
本連載では「女性の経済的自立」をテーマに、様々な女性の経験談をご紹介します。実際に“経済的自立”を成し遂げた人たちから、「40代で新しい一歩を踏み出すための方法」を教えてもらいました。
今回お話を聞いたのは、杉浦葉子さん・51歳。10年前に離婚を経験され、現在はデザイン会社サカキラボで、企画から編集にわたり幅広い活躍をされています。
16年間におよぶ結婚生活では、元夫の転勤で海外を転々とされ、専業主婦だったという杉浦さん。そんな彼女が、離婚を決意し、40代で未経験の仕事に就職してから現在に至るまでの奮闘を語ってもらいました。
41歳の時、16年間の結婚生活に終止符を
私が離婚をしたのは、ちょうど10年前。16年間の結婚生活に終止符を打ちました。子どもはいません。
それまで専業主婦だった私が就職したのも、離婚直後の41歳のとき。そこからの10年間は決して平坦なものではありませんでした。今回は、自分には何もできないと思い込んでいた私が、どのようにチャンスを掴み、成長できたのかをお話したいと思います。
結婚前は、大企業で経理の仕事をしていました。退職したのは25歳の時。結婚してすぐに夫の香港転勤が決まったタイミングでした。
本音をいえばその時はすごく仕事が楽しくて、辞めるのはもったいないな……という思いがありました。
でも当時はまだ、結婚を機に女性が退職するのは当たり前の風潮でしたし、夫が転勤になれば妻が仕事を辞めて帯同するのが一般的。周囲の先輩を見ても、仕事をずっと続けている女性はいませんでした。
数年の香港滞在を経て、日本に帰国してからは、派遣社員として経理の仕事を続けていました。
夫はとにかく転勤が多い仕事でしたが、少し古いタイプの人で「仕事はしてもいいけど、基本的には家にいてほしいし、転勤にも必ずついてきてほしいから正社員にはならないで」と言われていたんです。
国内でも転勤が多く、私も夫にくっついて転々としながら、各地で派遣社員として働く生活を続けていました。稼いだお金はすべて私の自由にしていいと言われたので、コツコツと貯蓄もできたし、毎日それなりに楽しかったんです。
ところが、夫婦の関係がギクシャクし始めたのは、35歳の時。アメリカに転勤になった頃でした。
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