40代になって人生を見つめ直し、「これからは、自分の人生を生きたい」と考え始める人は多いようです。
これまで専業主婦として生きてきたり、夫の扶養に入っている女性の中にはこんな葛藤を抱える人たちも……。
「パートをしているけれど、夫の扶養から抜けて夫と対等になりたい」
「出産を機に仕事を手放したけれど、やっぱり社会の中で自分を確立したい」
「離婚を考えているけれど、専業主婦なので離婚できない」
本連載では「女性の経済的自立」をテーマに、様々な女性の経験談をご紹介します。実際に“経済的自立”を成し遂げた人たちから、「40代で新しい一歩を踏み出すための方法」を教えてもらいました。
杉浦葉子さん・51歳に、2回にわたってお話を伺っています。
10年前に離婚を決意し、16年の夫婦生活に終止符を打った杉浦さん。前編では、それまで専業主婦だった人生から一変、周囲のパワフルな女性たちに背中を押され、デザイン会社に就職するまでの経緯を話してもらいました。
後編では、全く未経験の業種でどのような成長を遂げたのか、40代での挑戦を伺います。
「何もできない人」=「自分は何もできない」と決めつけているだけ
41歳で就職したデザイン事務所のサカキラボは、スタッフ5人の小さな会社でした。私は管理担当として入社したものの、ウェブサイトの更新のために記事を制作したり編集をしたり、幅広い業務をこなしています。
前回お話したとおり、社長に「稼げない人間はいらない」と叱られながらも、必死で手がけたウェブサイト『丸の内体育会美食部』がメディア取材を受けたことで、初めて自分の居場所を見つけられたような気がしました。
アメリカで夫婦生活がうまくいかなくなった頃、世の中から取り残されそうな焦燥感を抱いたことがきっかけで、なんとなく始めたブログ。それがなければ、自分に「文章をコツコツ書き溜める」という強みがあることにも気づきませんでした。
食べることやワインを飲むのが大好きだったことも、こんな形で活かせるなんて思ってもいなかった。“何にもできない人”って、 “自分は何にもできない”と思い込んでいるだけなんですよね。
少し方向を変えるだけで、自分の好きなことが仕事になるなんて。
食やワインへの関心や、文章を書くこと。人との繋がりを作るのが得意なこと。サカキラボでは、そういう自分のちょっとした強みをどんどん活かして、仕事に変えていけばいいという“編集力”のようなものを教わりました。
企業でOLをしていた時は、絶対に気づけなかったことです。しかも私はそれまで、自分は経理が向いている! と思い込んでいましたが、後から人に「そこまで経理強くない方だと思うよ(笑)」なんて指摘されて。これまで特技だと思っていたものがそうではなかったんですよね。
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