ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考えます。今回は、最初の結婚相手と離婚後、38歳で韓国語スクールで出会った韓国人男性と再婚をはたした楓さんにお話を伺いました。
最初の彼と交際2ヵ月でスピード婚になったワケ
人間、歳を取ると「傷つきたくない」という気持ちが強くなって、恋愛でも臆病になる傾向がある気がします。だけど今回取材した楓さんは、「婚活女性に、結婚は自ら掴み取るものだということを伝えて積極的になって欲しい」とご自分から取材対象に名乗り出てくださった方。
ご職業は医師で現在41歳なのですが、最初の結婚で男性不信になり、離婚後は「もう恋愛はしない」と心に決めて30代を過ごしていたそう。そんな彼女が38歳のときに出会ってひとめぼれし、その相手に何度も告白しまくって結婚できたという一発逆転ストーリーをご紹介したいと思います。
医師と聞くと裕福な家庭に育ったのかと思いがちですが、楓さんは同じく医師でシングルマザーの母親に、医大に受かった後に「ごめん、やっぱり私には払えないから学費は自分で出してね」と言われ、六本木のキャバクラで働きながら医学部と美容学校の3足のわらじを履いて医師になったという根性の持ち主。
楓さん:医師だけでは食えないと思ったので、エステサロンも開業するのが目標でした。朝9時から夕方5時までは医学部、5時半から7時半は美容学校、それが終わったらキャバクラでバイト、という生活をしていましたね。
医師免許を取得後は、医者の仕事とエステサロン経営で多忙な毎日。最初の夫となるAさんと出会ったのは、そんな中でのこと。
医師の友人が開いた異業種交流パーティーで、スーツ姿のお堅い雰囲気の男性が集まる中、ひとりTシャツを着て参加していたのがAさんでした。
楓さん:彼は私よりひと回り年上で、神奈川で総合病院を経営している医師でした。でもひとりだけすごくラフな格好をしていて、まるでホリエモンみたいな印象。そんなちょっと変わったところに、「面白い人だな。もっと知りたいな」と思わされました。話してみると、彼の話は経営者の先輩としてすごく勉強になることばかりで。
ちょうど28歳といういわゆる結婚適齢期だったこと、そして楓さん曰く「仕事で疲れすぎていて判断能力が低下していた」ことから、彼女は出会ってすぐのAさんに「僕と組んだら君はもっとビッグになれるよ」と口説かれて、なんと2ヵ月でスピード結婚してしまいます。
楓さん:恋愛感情を感じる間もなかったです。でも彼が私のエステも彼が親から継いだ医院でやればいいと言ってくれて。そのまま、神奈川にある彼の総合医院でひと稼ぎしてくるという感覚で嫁いでしまいました(笑)。
このAさん、ひと回り年上な上にバツイチ、そして義両親とは同居。そんな条件のお相手と若い楓さんがスピード婚することに、周囲の人たちは反対しなかったのでしょうか。
楓さん:周りのみんなは、「私はあんまり好きなタイプじゃないけど、楓がいいなら結婚すれば?」という感じでした。
入籍後、子供がいたことが判明!
ところが入籍直前に、Aさんは息子を育てるシングルファザーだったことが判明。Aさんの車で外出する際に、後ろの席に座っていた小さな男の子を息子だと紹介されたのです。
さかい:えっ? 入籍まで子供がいることを黙ってたんですか? よくそのまま結婚しましたね(驚)。だって楓さん、仕事しながらいきなり育児だなんて、さらにタスクが増えませんか?
楓さん:そうですよね〜。でもそのときは、義両親との同居だから助けてもらってどうにかなるかな、って思って、そこまで深く考えなかったんですよねえ。何しろ疲れてたので、誰かにその状況からすくい上げて欲しいという気持ちの方が強くて。それにうちは両親が不仲で離婚しているので、結婚に対して夢もなかったので、「こんなもんかな」と思うところがありました。
メンタルが弱っているときには大事なことを決めるなというのは、こういうことなのでしょうか。そして結婚して数年後には、Aさんがバツイチどころではなくバツ3だったことも判明するのですが、結婚してみるとAさんはモラハラだけでなく息子に手を上げるDV父親でもありました。
モラハラ男性はモラハラがバレないうちに結婚に持ち込もうとするから、出会って間もないのに「結婚しよう」と口にする男性はアブない、という話を聞いたことがありますが、Aさんがまさにそれだったのです。
言ってしまえばお金と生活の安定を求めて結婚に走った彼女。だからこそ現在の夫との穏やかな暮らしの幸せのありがたみを感じているそうですが、その再婚相手と出会うまでのお話は、次回に続きます。
構成/川端里恵(編集部)
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