「大変な自分」を演じて得られる心地よさは手放すべき


くらさん、こんにちは。中学3年生の弟さんに対するお悩みをご相談くださり、ありがとうございます。くらさん自身も16歳とお若いですが、とても優しいお姉さんであることが伝わってきました。

弟さんがTwitterに家族の悪口を書き込んでいるとのこと。お姉さんとして胸を痛めて当然ですし、弟さんのことも心配ですよね。現実にありもしないことを誇張して発信し、さも被害者であるかのように振る舞えば、同情を集めて周囲が「大変だね」「大丈夫?」と声をかけてくれる。その心地よさに味を占めてしまうのは、とても危険なことだと思います。架空の加害者を作り上げ、自分は被害者だと主張し続けていると「なんでも人のせいにするクセ」がつき、心が成長できなくなってしまうからです。

 

私も以前、知人から悩み相談を受けたのですが、何度も何度も相談に乗っているうちに、悩みの内容が支離滅裂になっていったことがありました。また、親御さんがいるのに「私には親がいない」とか、ご両親はお酒が飲めないのに「酔った親から暴力を振るわれた」と嘘をつく方も……。その方たちは、「大変な自分」を演出しないと人と繋がれず、誰かにかまってもらえる自分が心地よかったのだと思います。

同情を集めれば集めるほど、後には引けなくなってしまう。Twitterで弟さんが誇張した悪口を言い続けるのも、そんな心理が働いているのかもしれません。いったん手にした心地よさを手放すのは簡単なことではありませんが、悩みを聞いてくれるたくさんの人の時間を無駄にするだけでなく、他人に話を聞いてもらうことの心地よさに浸ることで、弟さんも成長できなくなってしまいます。自分も周りもハッピーになれない悪循環を断ち切るためにも、同情を買うために嘘をつかないこと、家族がとても傷ついていることを、誰かがしっかり怒ってあげるべきだと思います。