待ちに待ったSATCの続編ドラマ、「And Just Like That…/セックス・アンド・ザ・シティ新章」が昨年末、ついに日本配信スタート。1月9日現在までに公開された2話を鑑賞したので、今回はそのレビューを!

アラサーだったSATCのメンバーたちがアラフィフになったら? という、キャリー、ミランダ、シャーロットたちの現在を描いたこの作品。50代の女性たちを主人公にしたドラマというのがとってもレアだし、それを演じる女優たちがシワや白髪を隠していないのも画期的なこと。

「And Just Like That…/ザ・セックス・アンド・ザ・シティ新章」撮影風景より。写真:REX/アフロ

というわけで、昨年辺りからハリウッドで活発になっているアンチ・エイジズムの流れをさらに盛り上げてくれる起爆剤になるのではないかと、世間からかなり期待されていたのです。

サマンサ演じるキム・キャトラルの降板で3人になってしまった彼女たちの、お馴染みの週末のブランチ風景から物語はスタート。スタイリッシュな洋服で身を固める彼女たちは、白髪やシワが増えても相変わらずゴージャス。サマンサがいないのはさみしいけれど、久しぶりに懐かしいキャストたちが集まった姿を観られてワクワク。サマンサが不在の理由も語られますが、劇中で「いないものとして扱われる」わけではなく、3人も私たち視聴者と同じように彼女の不在をさみしがっている様子が、回を追うごとに伝わってきます。

 

ジェンダーや人種差別など現代における様々な社会問題を織り交ぜ、ストーリーや登場人物たちの設定も今っぽくアップデートされています。恋愛コラムニストだったキャリーはポッドキャストの司会者に挑戦しているし、その仕事でのボスはノンバイナリー(女性や男性というカテゴライズに当てはまらない人のこと)。ミランダは弁護士事務所を辞めて人権弁護士を目指し、博士号を取得するために大学で勉強中。アラフィフの彼女たちは新たなチャレンジをしながらも時代の波になかなか上手く乗れず、若い世代との会話のズレに気まずさを覚える瞬間も多々。

そんな悪戦苦闘をしつつ、グレイヘアの是非について論議したり反抗期の子供に手こずったりする彼女たちの姿はとってもリアル。時折観ていてしんどいくらいに共感できてしまうのは、アラサー独身女性の恋愛がメインのSATCをリアルタイムで観ていた、アラサーのあの頃と一緒かも。

これはSATCの原作者のキャンディス・ブシュネルが小説「25年後のセックス・アンド・ザ・シティ」で書いていたことですが、50代といえば昔はキャリアも恋愛もそろそろ引退する年頃だったのに、現代ではまだまだ現役であらねばならないことも多く、そこに家族や健康の問題が重なり、精神的にも肉体的にもしんどい。まさに「中高年期の狂気」とでも呼ぶべき年代ですよね。そんな50代というライフステージを、彼女たちがどうやって乗り切って行くのか、これからの展開が楽しみであり、恐らくこのドラマの見どころでもあるかと。

個人的には60代になったサマンサのセックス事情が観たかったなあと残念ですが、女同士って人生のステージが変わると一時期疎遠になることはよくあるし、いつかサマンサがふらりと戻って来ることもあるんじゃないかと、最終回までは一縷の望みを捨てずにいようと思います(笑)。

今後のストーリーの中で新たな恋愛に踏み出す登場人物が出てくるであろうことも予感させる第2話までの流れ。一体どんなドラマが展開されるのか、ドキドキしながら待ち侘びています。鑑賞された皆さんの感想もよろしければ教えてくださいね。


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