十数年、主婦をやってきた結論!
その数十秒の“ひと手間”が料理をおいしく簡単にする

 

豚の生姜焼きに鶏の唐揚げ、ポテトサラダなど、栁川さんの料理の基本はシンプルな定番料理。でも、豚の生姜焼きは豚肉に薄力粉をふることでお肉をジューシーにしたり、鶏の唐揚げにはほんの少量の鶏がらスープの素を隠し味にしていたり、ポテトサラダは具材と和える前にじゃがいもを粉ふき芋状態にして調味料で下味をつけたり……と、すべての料理に“ちょっとしたひと手間”が加えられています。

「え、忙しくて、そんな面倒なことできないよ」と思われるかもしれませんが、実はこの “ちょっとしたひと手間”が栁川さんの「共働きごはん」の最大のポイント!  “ひと手間”というと時間がかかって面倒、と思われがちですが、実はその数十秒をかけることで、そのあとの作業が楽になり、さらに、その“ひと手間”がぼんやりした定番料理の味をぐっと格上げしてしてくれるのです。

 

「私が作る料理は『普通の家庭料理』です。そして、私がおいしいと感じるのは、肉や魚、野菜の本来の味が際立つ『シンプルな料理』。そうした『シンプルでおいしい普通の家庭料理』のためにもっとも重要なのは、実は下ごしらえなんです。

たとえば、私はその後の調理法によって、下茹でに使う塩の量を変えます。そのまま食べる場合はお湯1リットルに対して小さじ2(10g)程度。その後に味付けをする場合はその半分にする、といった感じです。とはいえ、そんなにきっちりしなくても大丈夫。

ですが、そのほんの少しの塩加減で本当にガラッと味が変わるんです。そして、こういったちょっとした“ひと手間”が、結果的にそのあとの調理をぐっと楽にしてくれることに気づいたんです」

十数年にわたる共働き生活の中で、試行錯誤しながら身につけたちょっとした“ひと手間”は、「おいしさ」を引き出し、同時に「時短」もかなえてくれます。忙しい毎日の中で継続しておいしい料理を作り続けるためには、やはり「簡単」であることが重要。

そんな栁川さんの“ひと手間”が加えられた簡単&絶品レシピ2品を、2021年12月に刊行されたレシピブック『いつものおかずがぐっとこなれる 簡単ひと手間 共働きごはん』から、特別にご紹介。