中学生への出張性教育の授業を、参観した更年期の私。性教育と言えば、女子だけが体育館に集められ初潮の話を聞き、男子は校庭で遊んでいた世代なので、「心を育む」という内容は目からウロコでした。
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「性」というデリケートなテーマを扱う授業には、医学的な正しい知識と、子どもたちの声を聞き、気持ちに寄り添うことが大切だと感じました。まともな性教育を受けていない私が、もしも子どもたちに知識を伝えようとしても難しいでしょう。それでも親御さんはお子さんのことが心配で、いろいろ教えたいと思うはずです。そんな時、何ができるのか?! どうすればいいのか? 今回は、長年性教育に取り組んでいる渡會睦子先生(東京医療保健大学医療保健学部看護学科教授)に、具体的に聞いてみました。
思春期の子どもとどう向き合えばいいの?
中学生への性教育授業の参観は、自分の思春期を振り返ってみるきっかけになりました。すっかり忘れていましたが、自分も親をガン無視し、壁を殴り、プチ家出を繰り返し、盗んだバイクで走りだそうとしていました……。みなさんも思い出してみるといいかもしれません。そして更年期の今も、性ホルモンのバランスが乱れ、心身共に不安定。そんな時が、思春期の子どもとかぶってしまったらどうすればいいのでしょう。
「お子さんの思春期の反抗につらさを感じることは多いと思います。思春期の子どもと更年期の親がぶつかってしまうことも珍しくありません。親御さんは更年期の治療を受けると少し楽になることもあります。
思春期のお子さんがたくさん悩んだり、苦しんだり、喜んだり、様々な感情を経験することは、人を大切にしようと思う前頭葉の成長・発達につながっています。思春期の複雑な心理や反抗は親御さんにとってはつらく寂しい時期ですが、正常な発達と喜びながら過ごしていきましょう。それでも、引きこもりや精神的不調を訴える時には、学校のスクールカウンセラー、公的な保健所や保健センターで思春期無料相談などを、早めに活用すると楽になる場合もありますので、問い合わせてみましょう」(渡會先生)
思春期の子どもと付き合うポイントを渡會先生に教えてもらいました。
・対等に話し合うこと。
「あなたはどう思っているの?」、「気持ちを話していいんだよ」と声を聞いていきましょう。言葉が重くなっている時期のお子さんが発言してくる機会があれば、本音をさぐる貴重なチャンス。まずは、お子さんの言葉を聞いて受け止めた上で、自分は大人としてはこう思うと話をしてほしいと思います。説教やレクチャーではなく必要なのは対話です。
・大人としての意見を伝え、自己決定を支える。
反抗されるとこちらも怒りたくなる時期でもありますね。でも、そろそろ子どもに親の言うことを聞かせようとする対応から、大人として話し合う対応に少しずつ切り替えてみてはいかがでしょうか。虐待めいた罵声や理不尽な命令、言葉遣いは優しくても、考える間もなく代弁したり、行動を親が決めすぎる過干渉があると、自己決定できなくなったり、思春期が遅くなってしまうこともあります。思春期が遅く来ると、苦しみが長引いてしまう人もいます。
小学高学年~高校生くらいで思春期は終わっていきます。少しずつ大人として、どのように考えていくのか、引き出しながら伝えていきましょう。
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