「出てきた料理が、台詞がしゃべれないくらい熱くて(笑)」(井之脇さん)

ーー第1話ではさば味噌定食、第2話は焼鳥と、広瀬さんが食べる失恋めしが大きなみどころです。

広瀬:このドラマに出てくるお店もメニューも、すべて実在しているんです。しかも、店員さんも実際にそのお店で働いている方なんです。

ーーえぇ!? 役者さんかエキストラさんだと思っていました。

広瀬:すごく自然ですよね。大九(明子)監督がまずはお店の方と「いつもどんな感じでやられてるんですか?」とお話しされて、「じゃあそれでお願いします」って。お店の方はいつもどおりの接客や作業をして、私たちはその中で淡々とお芝居を続けていく、という撮り方でした。

 

ーー一般の方との撮影は、ふだんとは勝手が違いますか?

広瀬:ちょっとドキュメンタリーっぽいというか、普通のお店の中にミキがいるというか。ときどき、自分と間が合わない店員さんっていると思うんですけど、そういう店員さんとのリアルなやりとりが、そのまま使われています。監督が「あ、いいですね。そのまま使います」って。

ーーミキが食べるシーンで、口元がかなりアップになりますが、意識したことはありますか?

井之脇:けっこう(カメラが)寄ってますよね。

広瀬:きれいな食べ方でありたいと思いましたが、それくらいですね。食べ方に関しては、毎回素だったと思います。

ーー焼鳥の串を口に縦に入れていたのも?

広瀬:自分のクセだと思います。なかなか串から肉がはずれなかったハプニングもそのまま使われています。内心「取れない! どうしよう!」と、かなり焦りました。そういうシーンはわりと多いと思います。

ーー井之脇さんも、食べるシーンはありますか?

井之脇:ミキ先生と一緒に石焼のロールキャベツを食べたんですけど、できたてを出してくださったので、セリフがしゃべれないくらいマグマのように熱くて(笑)。

広瀬:テストでは冷めたロールキャベツを使っていたんですけど、本番では思っていた倍以上の湯気が出てました。

井之脇:湯気というより煙でした(笑)。

広瀬:「絶対これ熱いじゃん!」と。でも食べるシーンなので、がんばって食べながら井之脇さんをパッと見たら、セットのスープを飲んでいたんです!

井之脇:(笑)。

広瀬:あのときは現場にいた全員が「あ! 逃げた!」と(笑)。

ーー熱々を出してくれるのはいいお店の条件ですが、俳優泣かせではありますね(笑)。ちなみにミキが自宅で漫画を描きながら食べていたのはデリですか?

広瀬:デリも食べました。ミキは食べることが好きなので、メインの食事シーン以外でもけっこう食べているんです。ちなみにオープニングで食べているのはドライマンゴーです。現場に置いてあったので、食べちゃいました。「食べていいよ」と言われてはいなかったんですけど。

井之脇:アハハ!(笑)

広瀬:特に止められなかったので、「ま、いいかな」と食べ続けました(笑)。

 


「失恋した時に食べたいのはパワー系。跳ね返そう!みたいな感じかもしれない」(広瀬さん)


ーー自分が失恋したときや元気がないときは、どんなものを食べますか?

広瀬:ガッツリ系です。私は何があっても食欲があるタイプなので、お肉とかを思いっきり食べます。最近は豚肉にハマっているので、いい豚肉をシンプルにグリルして食べたいです。

井之脇:僕は逆に煮物とか、体に沁みる系がいいような気がします。この質問を何回かされて、最初は甘いものを食べたくなるのかな、と思ってたんです。でも、さっき第1話(さばの味噌煮)を見返して、失恋したときは自分に寄り添ってくれる、身近な食べ物のほうがいいんじゃないかなと思いました。煮物とか、アジの開きとか。

広瀬:アジの開き、いいですね〜。

井之脇:安らげる味なんでしょうね。

広瀬:私はパワー系(笑)。跳ね返そう! みたいな感じかもしれないです。仕事で疲れていた時期は、狂ったように豚汁を作りました。大量に作ると気分転換になりますし、数日食べても飽きないですし。

ーー食べること以外で、落ち込んだときに元気になる方法はありますか?

広瀬:歌います。家で大熱唱。何を歌うかはそのときの気分ですけど、最近だと絢香さんです。

井之脇:山登りです。でも、時間がないとできないので、日常の中で2~3時間で気分転換するとなるとボルダリングですかね。

広瀬:いずれにせよ登るんですね(笑)。