人間関係でストレスを感じたらどのように解消していますか? お酒を飲む、好きなものを食べる、買い物する、運動する……いろんな方法があると思いますが、ストレスの対象である人の「悪口を言う」ことで解消する! という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

といっても当人に面と向かって言える人はごくわずかで、ほとんどの人は第三者に愚痴をこぼすといった方法を取ると思います。そして冷静になってみると、感情に任せただけのひねりのない言葉の数々に、かえって自分のことが嫌になってしまうという悪循環に陥る場合もあるのではないでしょうか?

いい大人だし、角が立たない気の利いた悪口で一矢報いたい……そう考えている人にお勧めしたいのが、「インテリ悪口専業作家」としてネットで評判を呼んだ堀元見さんの著書『教養(インテリ)悪口本』です。本書で紹介されている「悪口」の数々には、歴史や文学をはじめ堀元さんの豊富な知識が投影されていて、ユーモアセンスだけでなく教養も高めてくれるでしょう。

笑いながら勉強できる一挙両得な本書の中身を、一部ご紹介します!

 

嫌なことや不愉快なものを笑い飛ばす原動力


「悪口」というとネガティブに捉えられがちで、人前で口にするのをはばかる人は多いですが、堀元さんは悪口にはプラス面もあることを主張します。

「知性とユーモアが宿れば、悪口は面白い。嫌なことや不愉快なものを、笑い飛ばす原動力にもなる。インターネットに氾濫する悪口がつまらないのは、そこに知性もユーモアも宿っていないからだ。『こいつ無能。死ね』というツイートを見て、楽しい気分になる人はいない」

 

堀元さんが知性とユーモアが宿った悪口を「インテリ悪口」と名付け、インターネットで積極的に発信する背景にはこのような思いがありました。

「嫌なことがあった時、インテリ悪口を使うことで、溜飲も下がるし、笑い飛ばすこともできる。ちょっとだけ勉強にもなると思う。ひいては、『つまらない悪口』が蔓延するインターネットや現代社会が、少しでも楽しくて知的な場所になればいいなと心から願っている」

では、「インテリ悪口」が具体的にどのようなものかを見ていきましょう。