「今の仕事、私に向いてないな」とか「結婚を機に仕事をやめちゃったけどこんなはずじゃなかった」とか「本当は音楽が好きで音楽に関わる仕事がしたかったけど、音楽系の学校出てないから無理だった」など、何かうまく行かない感じや不足感を覚えることもときにはありますよね。
皆が順風満帆な人生を送っているわけではなく、「私どこかでつまずいちゃったかも」と思いながら違和感を抱えて生きている人も結構多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめしたい一冊がこちら。
ハーバード教育大学の研究者2人が書いた『Dark Horse「好きなことだけで生きる人』が成功する時代』は、型破りのルートから成功した人々のインタビューを通じて「しあわせに生きる」とは何かを考える本です。
本書の登場人物たちの最大の共通点は、自分の中の「小さなモチベーション」を大切にして「本来の自分であること(=充足感)」を追い求めていたらいつの間にか成功していた、ということ。
学歴や経験に関係なく、自分のなかの「違和感」に苦しんでいる人にぜひ読んでほしい内容です。
自分の中の「小さなモチベーション」とは?
本書では、政治の世界を飛び出して好きな片付けの世界で起業し成功を収めた女性、高校中退のシングルマザーでありながら好きな星の観察をとことん追求し、世界中の天文学者に一目置かれるようになった女性など、通常のルートでは考えられない方法で成功した”普通の”人々を多数紹介しています。
好きなことを仕事にして成功できるなんてこの人たちはレアケースでしょ、と思うかもしれませんが、彼ら彼女らの思考や行動、辿った道筋には共通点があるのです。
それは、自分の中の「小さなモチベーション」を満たしてきたこと。
「小さなモチベーション」とは、例えば、星について知ること、整理整頓、バラバラのものをまっすぐに揃える、誰かの大切なひとときを美しくするものを作り出すこと、など一見ささいなことばかりです。
しかし、これらの「小さなモチベーション」を満たすこと、すなわち自分自身の充足感の追求こそが、彼らダークホースたちの成功の秘訣なのです。
ダークホースってどんな人?
ダークホースとは、もともとは競馬用語で「予想外の活躍をしそうな馬」のこと。
本書の中では、ダークホースは「予想外の活躍をする人」「型破りなルートで成功した人」という意味で用いられ、次のような存在として定義されます。
どんな教育を受けてどう成功するかという価値観の中では勝てなかった人が、ある程度大人になって「何か違和感がある」ことに気づく。その違和感を無視せず、フィットする場を探して行動を重ねていくつかのチャンスに会い、自分の中の「小さなモチベーション」を掘り起こす。そこから「自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むこと」でいわゆる社会的外的尺度としても成功し、かつ本人にとっての充足感がある状態を築いた人。
ポイントは、「本人たちにとって充足感がある状態を築いた」ということです。
ここでいう充足感とは画一的なものではなく、自分の充足感は自分で決めるしかありません。
充足感の鍵となるのは、インタビューの中で浮かび上がってきた、ダークホースたちに共通する次の3つの特徴です。
・自分をよく知っている
・違和感を大切にする
・小さなチャレンジの行動を繰り返す
本書の中の、ひとりの女性の例を紐解きながら見ていきましょう。
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