「NOコロナ」ニーズが大人の心を打ち抜きます


ところが人とは調子のいいもので、同じコロナ禍でも長くなると飽きてきて、「もうコロナはいい、コロナなんて感じさせない世界を見せろや!」という真逆の心理になってくるよう。もちろん、そんな意図を持って『エミリー、パリへ行く』のシーズン2を選んだわけではなかったのですが、まさに私のこの「NOコロナ」ニーズにピッタリだったのが、このドラマだったわけです。

今回もエミリーは、パリ郊外へゴージャスな女子旅をしたり、親友の彼氏を寝取ってブチ切れられたり、かと思えば新たにロンドン男子と恋を始めたりと、そのパリピぶりがますますパワーアップしています。これが、2年に渡って外出を制限され、人と会うこともままらない生活を続けてきた私の心に、刺さる、刺さる……。ああ、楽しそう、私もパーティーとか行きたい! 旅行したい! 何も気にせず美味しいもん食べたい!! という渇望が沸き上がってくると同時に、キュートでキラキラしたエミリーを通して、それらを疑似体験させてもらっているような感覚に陥ったのです。


我々はこの2年間、本当に頑張ってきた!


私たちは皆、この2年間、本当に頑張ってきたと思います。時には気分転換をしながらも、奥底では浮かれ過ぎないように、用心を怠らないように、と自分を律していた。誰もが無意識に、そんな楽しむことをおさえる癖がついてしまったのではないかと思います。おそらく、「もともと一人が好きだし、家にこもって原稿書いてばっかりの生活だったし」と、比較的コロナ禍を平気だと思っていた私ですら、鬱屈していたものはあったのでしょう。期せずしてその無自覚なストレスを解放してくれたのが、このドラマだったのかもしれません。

コロナの終わりはまだまだ見えていないのが実情です。でも朗報が。『エミリー、パリへ行く』は、何とシーズン3だけでなく4の製作までもが決定したそう。ほんの少しだけかもしれませんが、きっと再び、エミリーは頑張り屋な私たちの心を救ってくれることでしょう。

構成/藤本容子


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