書籍『父がひとりで死んでいた』を執筆した如月サラさんは、50歳の時に大手出版社を辞め、大学院へ。自らの体験から強く必要性を感じて研究したという中年期女性のアイデンティティの再構築について伺いました。

 

如月さんインタビュー【前編】:「父がひとりで死んでいた」離れて暮らす親の孤独死。やっておけば良かったと思うこと>>

 


50代の10年をかけて60歳以降の自分の土台を作ろうと思った


如月さんは、現在55歳。25歳で上京し、出版社で女性誌の編集に携わっていました。大変なこともありましたが、仕事は充実しており、あっという間に駆け抜けた20〜30代。でも、40代になって、このまま会社に定年までいていいのだろうかと不安を抱くようになります。

如月サラさん

おそらく誰もが40代になって、「このままでいいんだろうか?」「この先も大丈夫?」と立ち止まって考えてしまうのではないでしょうか。如月さんは、60歳以降に備えるため50歳の時に大学院に入学しました。

「60歳で会社を定年退職するとして、50代の10年をかけて60歳以降の自分の土台を作ろうと思ったんです。でも、いざ入学してみると、会社と大学院のどちらも中途半端になると思いました。人生の2年間だけ学問に打ち込もうと決めて、入学から3ヶ月後に会社を辞めました」