身近なジェンダーギャップを変えていければ、社会も変わっていく【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となりました。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

女性と男性のあり方を変えるために、
自分の身のまわりからできることを
始めてみましょう 

身近なジェンダーギャップを変えていければ、社会も変わっていく【産婦人科医・高尾美穂】_img1
 

私の音声配信番組の視聴者の方から、家庭内でのジェンダーギャップについてのご相談をいただくことがあります。

 

たとえば、夫と一緒に不動産などの大きなものを購入するときに、営業担当者は夫にのみ名刺を渡して、話をするときも夫のほうばかり見て話すので、相手にされていないと感じたということ。
また、自分の両親は夫に敬語を使うのに、夫の両親は自分に敬語を使うことがない。自分は両家の両親の前で、夫を「〜さん」と敬称をつけて呼ぶけれど、夫は自分を呼び捨てで呼ぶ。
こういったことは悪気があるわけではないけれど、女性が「格下」という前提が社会に根深く残っていると感じるというようなご相談です。

身近なジェンダーギャップを変えていければ、社会も変わっていく【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 


古い固定観念は、身近なところから少しずつ変えていこう


このような家庭内でのジェンダーギャップは、確かによくあることだと思います。
こういう場合は、それが気になるのであれば、たとえば、夫に、両親の前で自分の名前を呼ぶときに、敬称をつけて呼んでほしいと言ってみるのがいいんじゃないかと思います。
義理の両親に、敬称をつけて呼んでほしいとは言いにくいと思いますが、パートナーになら言いやすいですよね?
こんなふうに、気になるところから変えていくことがすごく大事だと思います。

社会は残念ながらまだ成熟していません。
特に60代以上の方々は、まだまだ古い固定観念をもっている人が多い傾向があるように思います。
社会はいきなりは変わらないので、まずできることは、自分の身の回りから変えていくことです。

 
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