40代からパリ生活を始めた無類の食いしん坊・井筒麻三子が、「のんびりゴロゴロしてても、美味しいものが食べたい〜」と考え出したレシピから始まった、お料理連載。ゆる〜っと簡単なのに、小洒落た美味しいものが作れるから、お料理が苦手な方、「今日の献立を考えるのが面倒」という時にこそ、ぜひ作って欲しいお料理が揃っています。

 


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冬といえば、コトコト煮込んだポトフ! の季節ですよね。以前はその名前に何の疑問も感じてなかったのですが、ポトフとはpot-au-feu(火の上の鍋の意)というフランス語でして、フランス料理なのだとこの国に来て知りました。でもって。フランスのポトフと言われているものが、私の知っているポトフと全然違う〜! ことに驚いたのです。

日本でポトフというと、コンソメスープで根菜と豚肉やソーセージなどを煮たシンプルな煮込み、というイメージじゃないですか? でもフランスのポトフは、牛かたまり肉が基本。それもすね肉や頬肉、肩肉など部位を2〜3種類使い、ゼラチン質たっぷりの骨髄も必ずと言っていいほど加えます。味付けは塩、胡椒&ブーケガルニだけで、スープの素は使いません。そしてソーセージが入っているのもあんまり見たことがない……。日本に伝わる際、アルザスのシュークルートとポトフがどこかで合わさってしまったのかしら? というのが私の勝手な推測です。

まあそれはさておき、正直私は日本のポトフがそんなに好きではなかったのです(味が薄いイメージで……)。でもフランスのポトフを食べてみたら、牛肉からたっぷり出る旨みがお野菜にまでしっかり染みていて、とても美味しい! 時間はかかりますが、基本的には材料を放り込んでコトコト煮込むだけなので、至って工程は簡単。私は大鍋で作って、残りは浮いた牛脂を取り除いてからルーを入れ、カレーにアレンジしたりします(クローブは食べられないので、カレーにする際は取り除くのを忘れずに)。これがまた絶品〜!(byうちのオット)なので、たっぷり作っちゃうのがおすすめです。あ、お野菜は玉ねぎとにんにく以外は、好きなもの、おうちにあるものでいいですが、フランスでは人参、キャベツ、かぶ、ポロネギ、じゃがいもなどがよく入ってます。
そしてポトフというと基本具材部分を食べる料理で、スープは別にして飲んだり、翌日以降別の料理に使ったりします(これも衝撃だった)。

具材を頂く際、うちの夫は塩&胡椒派、私はディジョン マスタード派なんですが、YouTube動画でこのポトフをご紹介したら、フランス人視聴者さんたちが「マヨネーズを添えて食べると美味しいから試して!」「うちの母はマリネしたビーツのサラダと必ず食べてました」「アイオリもいいよ」「胡瓜のピクルスも一緒に」などと(勝手に)意見を交わしていて、なるほど〜! と、面白かったです。

冬の定番、フランス式ポトフ


 材料(6人分)

・牛すねかたまり肉 500g
・牛肩かたまり肉 500g
・牛骨髄 2個
・玉ねぎ 2個
・クローブ 8個
・にんにく 3片
・ブーケガルニ 1個(なければローリエ2〜3枚、乾燥タイムなどで代用)
・人参 2本
・セロリ 2本
・かぶ 1個
・マッシュルーム 6個
・かぼちゃ 1/8個
・水 適量
・白ワイン 100ml
・胡椒 8粒(粒がなければ、調理の最後にパウダーを振るのでも)
・塩 適量

 作り方  

1 牛すねと肩のかたまり肉は、崩れないようタコ糸で縛っておく(気にならない場合は省いてOK)。

2 玉ねぎ2個は4等分にし、クローブを挿す(面倒な場合はカットせず、丸のままの玉ねぎに4本クローブを挿すのでもOK)。

 

3 人参、セロリ、かぶ、マッシュルーム、かぼちゃは大きめにカットする。

 

4 大きな鍋に、肉と骨髄、玉ねぎ、ブーケガルニ、にんにくは皮付きのままで加え、ひたひたに水を加える(大体2L程度)。

 

5 鍋を強火にかけ、沸騰したらアクを取り除く。

6 白ワインと塩(3〜5つまみくらい。最初は少なめにして、最後に味調整をすると良い)、胡椒を加え、弱火に落として蓋をし、2〜3時間煮込む。

7 肉が充分柔らかくなったら野菜を加える。火が通りにくい人参、かぶ、マッシュルームを先に入れ、15〜20分ほどしたらセロリとかぼちゃも追加する。

 

8 全ての野菜が柔らかくなったら火を止め、肉を取り出して一口大にカットする。

9 肉と野菜を器に盛って出来上がり。


「◯◯のレシピが知りたい」と言ったリクエストも、どしどしお待ちしております♪ 「作ったよ!」と言う方も、ぜひぜひお教えくださいね〜。
 

撮影/Yas

 


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