おすすめの作品や商品について時間をかけてレビューを書いたのに、まったく閲覧数が伸びないとしょんぼりですよね。この連載は「センスも文才もなくていい」とサブタイトルに謳っているように、読まれるか、読まれないかは文章を書くスキルやセンスによるものではないと考えています。「ファンがつくレビューの書き方」第3弾は、読まれるレビューのコツをご紹介します。

 


読まれるか読まれないかは、対象選びとタイミングが8割


レビューに限らず、WEBライティングの3大お悩みは、「うまく伝えられる気がしない」「読まれない」「反応がない」だと思っています。「うまく伝えられる気がしない(から書かない)」ステージを抜け出しても、頑張って書いたけど「読まれない」ステージがやってきて、読まれてはいるようだが「反応がない」のステージがやってくるという、手強い敵が次々と現れる“WEBライティングの天下一武道会”。

 

第一ステージ「うまく言える気がしない」の克服法ついては、すべて伝えることはできないと割り切って、1つフォーカスポイントを決め、そこについてだけ書く方法を前回お伝えしました。

次のステージ「読まれない」については、まずそもそも著名でもなく、知り合いでもない人の文章を他人はそんなに読んでくれないという大前提があります。読まれなくて当然だからそんなに凹まなくてもいい(と自分に言い聞かせている、うう)。

逆の立場になって、偶然見つけて読んだブログを思い出してみると「何かを探して検索してて出てきた」とか「Twitterのフォロワーの人がいいねしてた」とか、何かしら関心のあることや知り合いから芋づる式にたどり着いていることが多いことに気づきます。

“偶然の芋づる”の芋の一つになるのに大事なのは、何について書くか、いつ上げるか、です。読まれるか読まれないかは、対象選びとタイミングが8割と言っても過言ではありません。

「“〜と言っても過言ではない”はたいてい過言」と先輩に注意されたことがあるのですが。その話はまた今度にして先に進みましょう。

 


人通りの多いところにお店を開いて


そもそもその対象に興味がある人が多いものを、関心の高いタイミングで出す。これが芋づるの芋の一つになるコツです。

マイナーな映画より話題の超大作、過去作より今公開中の映画をとりあげたほうが読まれやすい。

「そりゃそうだろうけど、なんだかなー」「大衆に迎合するようで、私の趣味とは違うな」と思うところはあるかもしれません。

新人の書き手さんやブロガーさんには「まずは人通りの多いところでお店を開いて」とお伝えすることがあります。たくさんの人に知ってもらってから、個人的に思い入れの深い作品や過去作の紹介を織り交ぜていっても遅くはないし、ずっと迎合し続けなくちゃってことではないのです。

 

書く側としては、「知らない人、まだ見てない人に教えてあげよう」とつい思ってしまいがちですが、実際に読んでくれるのはすでにその作品を読んだり、観たりした人であることが多い。むしろ、どっぷりハマった人が検索して辿り着く可能性のほうが高そうです。だから、ハマっている人の数が多そうなものを、盛り上がっているタイミングで書いたほうが読んでもらいやすいわけです。

「『私もそう思ってた!』を言語化する」はこちら>>


じゃあ、話題作やメジャーなものしか紹介できないの? と思われるかもしれません。そんなことはありません。「読む人の関心ごとと自分の紹介したいものの接点を見つける」ことによって、ニッチなものも過去のものも人通りの多い道へ担ぎ出すことができるのです。

 
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