本書では、こうしたお金の“基本のキ”だけでなく、「かせぐ」と「つかう」の流れが見えづらくなるキャッシュカードや電子マネーなどのキャッシュレスの考え方、「長く・楽しくかせぐ」ための職業の選び方など、子どもと一緒に話したいお金の話=マネバナがもりだくさんです。さらにウェブ上では、書籍から飛び出したマネバナ企画「おうち銀行」プロジェクトも公開しています。


親子で「お金リテラシー」を育むアイデア「おうち銀行」とは?


祖父母や親戚からのおこづかい・お年玉、さらには入学祝いなど、子どもの「かせぐ」は案外多いですよね。そこで「おうち銀行」プロジェクトでは、親自身が「銀行」になって子どものお金を預かり、子どもと一緒にお金を管理するためのアイデアを提案。

まず、親はサイト上に公開されている「おうち銀行通帳」(PDFをダウンロード)をお子さんに発行(表紙は「いいね!」ポーズのウサやん!)。

子どもに「お金の話はタブー」はもう古い?日本でも金融教育が本格化。親子で学ぶ“マネバナ”のヒント_img11
 

この「おうち銀行通帳」には、以下の3つの口座の記入欄が設けられています。

①普通預金(金利自由、いつでも引き出し可)
②定期預金(金利自由、期間1年、2年、3年)
③なんでも特別口座(金利自由、期間自由)

親子で話し合って、金利や期間を自由に決めたら、その後のお金の出し入れは親子で確認しながら記録。しばらく使う予定のないお金は「定期預金口座」に預けてもらい、満期日になったら金利の分をプラスして子どもに渡します。

まさに現実さながらの「おうち銀行」は、大人になってからも役立つ「お金リテラシー」の基礎を育んでくれそうなしくみ。詳しく知りたい方は、ぜひサイトをチェックしてみてくださいね! 

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成人年齢が20歳から18歳に引き下げとなり、サラリーマン・公務員以外の職業の選択肢が格段に増え、スマホを使った課金ゲームやキャッシュレス決済も浸透。そんな現代において、親子でする「お金の話」の重要性は増していくばかり。「でも、何から話せばいい?」とお困りの方は、ぜひ本書や「おうち銀行」を“マネバナ”のきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

そして、ケントのお金の勉強のおかげで、険悪だったパパとママは笑顔を取り戻すことができたのか――気になる結末はぜひ本書でお確かめください!


作者プロフィール
著者:田中靖浩(たなか・やすひろ)さん

作家・公認会計士。三重県四日市市出身。早稲田大学商学部卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て独立開業。会計・経営・マネー分野の執筆・講演といった堅めの仕事から、落語家・講談師との共演まで幅広くポップに活躍中。中小企業やフリーランスの強い味方。『会計の世界史』(日経BP社)など著作多数。海外絵本『おかねをかせぐ!』『おかねをつかう!』(岩崎書店)の翻訳も手がける。趣味は音楽、B級グルメ食べ歩き。

著者:ウサミさん
銀行や会社でお金をあつかう仕事に長年かかわり、お金の大切さをよくわかっている。食べること、寝ること、美術館がだいすき。好物のステーキやお寿司、いちごケーキを べるとパワーアップしちゃう。今日も世界のどこかでごきげんに過ごしている。

イラスト:秋山貴世(あきやま・たかよ)さん
武蔵野美術大学卒業後、セントラル・セント・マーティンズ大学院修了。服飾グラフィックデザイナーとして数年間勤務後、フリーランスのイラストレーターになる。フランスにてコミックがÉditions Cambourakisと Éditions Misma から出版、歴史児童書⦆“So You Want to Be...(Roman Soldier, Viking, Ninja, Knight)” シリーズはイギリスにてThames & Hudsonから出版後、7か国語に翻訳される。南東ロンドン在住、趣味は陶芸。

 

子どもに「お金の話はタブー」はもう古い?日本でも金融教育が本格化。親子で学ぶ“マネバナ”のヒント_img12

『お金にふりまわされず生きようぜ! レストランたてなおし大作戦』
著者:田中靖浩、ウサミ イラスト:秋山貴世
岩崎書店 1540円(税込)

小学5年生の主人公・ケントが、貯金箱から飛び出したウサギのウサやんと共に、お金の5つの基本「まわす」「えらぶ」「しこむ」「はねる」「ふやす」を学びます。マンガと文章の物語で構成された本書は、小学校中学年〜高学年がスラスラと読める構成。チャキチャキの江戸っ子口調のウサやんに、時に突っ込まれ、時に褒められながら、ケントはさまざまなお金の知識を身につけていきます。親と子でするお金の話=マネバナの種になる、エンタメ感覚で読める実用書。



構成/金澤英恵