人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。

ベイクルーズの新ブランド「カルメール」は、作っている人を感じる服_img0
シャツ¥23100/カルメール

ぽかぽか陽気に誘われて、“イイワケの多い”春モノ買いが進んでいます。今回は(も)シャツ!

 

ブランドは、「CALMER(カルメール)」。ベイクルーズ社からこの3月にデビューしたばかりの、新しいブランドです(基本はオンラインショップのみ)。

数ヶ月前の展示会で初めて拝見して以来、ずっと気になっていて。公式インスタグラムで、「プラージュ代官山店にてポップアップストア(3/12〜21)を開催」すると知り、初日の12日土曜、前のめり気味に行ってきました。

プラージュ代官山店の2Fに上がってすぐ、半円状のラックにずらりと並んだ春夏アイテムたち。「そうそう、これこれ〜」と心の中でつぶやきながらあれこれ眺めていると、後ろから「こんにちは」と優しく声が。

声の主は、カルメールのデザイナー草柳利美さん。「ずっと気になっていて!」と、初対面にもかかわらずグイグイ話す私に、穏やかな笑顔で「うれしいです」と返してくださって。そこからゆっくりとお話をうかがいました。

私が真っ先に手にとったのは、今回紹介するシャツ。

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たっぷりとしたサイズ感と、なんとも言えないニュアンスカラー。エメラルドグリーン(表記はサックスブルー)、ベージュ、グレー、の3色。「すべて“ナチュラルダイ”(=自然界にある天然染料)で染めているんですよ」と草柳さん。どおりで優しい色味なわけです。

ちなみに、このグレーはライチで染めているのだとか。ライチでこんな色に? 淡いピンクとかになるのかと思った! 意外! あ、でも待てよ……家でミキサーをまわして作る、着色料や香料が入っていないジュースとかって、案外色がパキッと出ないけど、それと同じようなこと? ちょっと違うか? ……なんて、心の中で思いながら試着室へ向かいました。

実際に着てみると(これは購入後の写真だけれど)、びっくり!

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限りなく白に近いグレーに見えて、白シャツとはまったく別。白シャツ的クリーンな雰囲気はありつつ、うっすらグレーなので肌とのコントラストがキツすぎず、なんだかラフ。むむ! こんなカラー、今まで見たことない! 着たことない!

ショップ内にあった白スウェットパンツやライトブルーデニムを合わせてみたら、これまた素敵! きれいめ具合がわざとらしくないのです。

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驚いている私に「ちょっと起毛しているタイプライター生地なんです」と、草柳さんはまたそっと教えてくださいました。たしかに! よーく見ると、表面がすこーし起毛しています。表記としては、綿97%でウールが入っているわけではないのですが、その起毛していることも含めて、余韻を感じるグレーなのです。

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しっかりとハリがあって、バフっと空気を含んで。着るだけで、洒落たフォルムを勝手に形成してくれる。襟を立てたり袖をまくったり……全部“テキトー”でサマになるのです。

デザイナー草柳さんは、長年ベイクルーズ社内のブランド、イエナでデザイナーをされていたそう。それを知ったからかもしれないけれど、ご本人もどこかフレンチシックな雰囲気があるというか。飾らず、さらりと好きなモノを纏っているようなムードが漂っていて。滞在時間20分程度のわずかな時間でしたが、すっかりファンになってしまいました!

ブランドホームページによると、「穏やかで光輝く海のように、美しく人生を楽しむ」「シンプルをモダンに」がコンセプトとのこと。ふーむ。まさに、草柳さんを感じる服たちだな〜と、深く納得しました。

ちなみに、その日草柳さんが着ていらしたのは、プルオーバーのポリエステルパーカー。ラフにまとめた髪にヘアバンドをして、メイクもとってもナチュラルで。大人のシックなスポーティを体現されていました。

会計をしているとき、私から「オンラインショップでは男性が着こなしている写真もありましたよね」とお話しすると、「そうなんです、性別を問わず着られるものもあります。今度エディフィスでもポップアップをやる予定なのでよかったらまた……」と。「エディフィスユーザーの夫とともに、またお邪魔しますね」とご挨拶して、お別れしました。

翌日さっそく、ヴィンテージリーバイスのブルーデニムを合わせて。足元はヒールのパンプスにしようか迷いましたが、草柳さんを思い出し、肩の力を抜いてコンバースに。うん、気に入っています♡

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