人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。
「春になると欲しくなるもの」について、前回書きました。YOUさんに続き、おいでやす小田さんも素敵な濃いめブルーシャツを着ていらっしゃって、またしてもテレビ画面をパシャっとおさめました(男性のブルーシャツ姿も大好き!)。
少しずつ気温が上昇し、かたい桜のつぼみも、遠くから見ると焦げ茶色にじんわり赤みを帯びてきて、お花見好きの私としてはワクワクがとまりません。
そういえば、「春になると欲しくなるもの」ってまだまだあるな〜と気がついてしまい、そして見つけてしまい。ココにご報告申し上げます(笑)。
それは、「カーゴパンツ」。
タフで無骨でメンズライクなあの雰囲気。もこもこのニットやダウンコートと合わせると“カントリー”になってしまうから冬は避けている、あのパンツ。肌の露出や体のラインでメリハリをつくれる春にこそ、着たくなるんです。
この春はカーゴパンツの当たり年! 数ヶ月前に開催された各社の2022SS展示会にてたくさん素敵なカーゴパンツを目にしていた私は、すぐさまスマホの中のカメラロールをチェック。
ありましたありました! しっかり目をつけていたカーゴパンツが。
私にとって久しぶりのバナナ・リパブリック、です。
というのも、某企業で法人向け営業職として働いていた20代、通勤服として相当お世話になりまして。コレド日本橋店と銀座マロニエゲート店へは、アポイントとアポイントの間に頻繁に入り浸っていました。きれいな発色のハイゲージニットやボウタイブラウスなど、くたくたになるまで愛用していたっけ。
当時の私にとっては「バナリパ=通勤服」というイメージでしたが、今になって冷静に店内を見ると、カジュアル服もうまい! そしてきれい! と驚きます。
今回のカーゴパンツもそう。これで13400円は「すごい!」。
「すごい!」の理由を解剖しますね(笑)。
「すごい!」ポイントその①、シルエット。
太めかつすっきりとしたストレート。ひと昔前、それこそ私が20代だったころのカーゴパンツは、細身のテーパードシルエットが主流でした。そこにポインテッドのヒールパンプスを合わせたりして。けれど、こちらはそれよりもリラックス感のあるシルエット。ワイドほど太くはないから、スニーカーでもバレエシューズでも収まりがいい。今は基本的にフラットシューズしか履かない私にぴったりです。
「すごい!」ポイントその②、ウエストまわり。
しっかり高いウエスト位置に、太めベルトのディテール。両端に調整できる金具がついています。このディテールのおかげで、ウエストのサイドに陰影ができ、目の錯覚的にくびれをつくってくれる。そして、2本ずつ入ったタックがぽっこりお腹をカモフラージュしてくれる。なにからなにまで助かります!
「すごい!」ポイントその③、後ろ姿。
実は私がパンツを買うとき、いちばん重要視しているのがコレ。今回のような太めパンツのときは、ヒップがいかにフラットに見えるかにこだわっています。
男性がスラックスをはいたときの、ヒップの丸みが浮き上がってこないあの感じ、あれが理想。カタチがわからない、丸みを拾わない、ゆとりのあるヒップラインこそが、ジェンダーレスな後ろ姿をつくって、現代的な色気を漂わせる。
このパンツは、最高にフラットなヒップライン。はいている自分は見えないけれど、とってもお気に入りポイントです(ちなみに、スキニーデニムの場合は、ヒップラインがピタッとしているものを。ヘルシーでかっこいいお尻を目指します)
「すごい!」ポイントその④、くたっとしたチノ素材。
バリッと音がするような厚手のかたいチノも好きですが、これはその手前の中厚手。そして洗いをかけたようなほんのりくたっとした風合い。この素材感だからこそ、ストレートのシルエットのまま生地が落ち着きます。
……「すごい!」ポイント、中途半端に4つ挙げてしまいました(笑)。他にも、片サイドだけついたポケットが大人っぽくていいとか、こっくりしたブラウンベージュが絶妙とか……いろいろあります。
最後に丈問題について。私はお直し店通いを趣味としていますが、今回は裾上げナシで。実は、お店に持ち込もうと自宅の全身鏡の前で裾を2回折って準備していたのですが、その感じがなんともこなれていてイイ感じ! と気に入り、このままはいています。
無骨なカーゴパンツにピタピタの細リブニット。足元はぽってりとしたワークブーツを合わせて。前回記事に続き、“狙っていない”色気を狙っています(笑)!
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