人気エディターの小林文さんに、最近のお気に入りアイテムをコーディネートとともに紹介してもらいます。

ニット¥35200/ジョンスメドレー

突然ですが、 ボーダーって最近着ていますか? 「相棒的存在よ〜」っていうタイプと、「ちょっとご無沙汰なのよね〜」ってタイプ、割と真っ二つに分かれそうな気がします。私はというと、後者です。特に毛嫌いしているわけではなく、なんとなく自粛? 気味なのです。

 


理由は、30代後半に差し掛かり、見た目も内面も以前より丸くなったから(笑)。

数年前までは、学生時代にチア部とジムのトレーナーのアルバイトで鍛えた筋肉がわずかに残っていたし、代謝もまあまあよく、骨や筋を感じる体でした。深夜まで働いたり飲んだり、予定を詰め込んでいたのもあり(体力あったな)、内面も今よりキビキビしていました。

そのころはボーダーを着ても“カリッと”着こなせていたのです。けれど、いろいろ丸くなった今は、ちょっと気をつけないと“まったり”“ゆるゆる”した人に。

特に遠ざけていたのが、最も王道な白地×ブルーのボーダー。このタイプ、着ている人を見るのは、好きなのです。

小学生の姪っ子たち、キレッキレなセンス光る文化系男子(シソンヌじろうさんに取材した際、セントジェームスばかり集めていると教えてくださって素敵でした)、グレイヘアのマダム……etc.……。

純真無垢な子どもとボーダーは相性バツグンで文句なしにかわいいし、こだわり満載オタク気質な男性にはアイコンアイテムとして収まりがいい。人生の粋も甘いも噛み分けてきたマダムには人間的な迫力があるから、さらりと着こなすことができる。それぞれ、王道ボーダーがとびきり素敵に見えます。

それらの属性のどこにも当てはまらないアラフォー女性の私。王道ボーダーは当分お預けだわ……と思い込んでいました。

……が! 先日、雷に打たれたような衝撃をうけました! ジョンスメドレー二子玉川店にて(笑)。

※毎回のことながら、前置き長めですみません! ここから本題です※

昨夏この連載でも書いたポロニット、春〜秋までめちゃくちゃ愛用しているので、もう一枚買い足したいな〜と、お店へ。

ポロニットは半年前の展示会で拝見しているときから「次はCLOUDにしよう!」と決めていました。着てみると、やや青み寄りの薄グレーの色味が爽やかでうっとり! よしこれを買って帰ろう……と思ったその瞬間! 今回のこのボーダーニットが目に入りました。

いつもは「私にはこのテのボーダーは……」と素通りするのですが、ビリビリ〜〜(雷)!! 「なに!? この上品なボーダーは!!」と体が反応してしまって。気がついたら、試着室の中。

袖を通して鏡に映った自分を見てまたビリビリビリ〜〜〜(雷)!! 「え、なんか私、いいじゃん!!」(結局ポロニットは次回に……ということにして、ボーダーニットを持ってレジへ)


ポイントは、ほのかに肌が透けるニット。いえ、ニットではありますが、あくまでコットンです。しかもジョンスメドレーの厳しい審査を経て選ばれたシーアイランドコットンを使用しているので、すべりがよくなめらか。まるでシルクを着ているよう! 長袖だけれど、腕をまくってしまえば、地厚の半袖Tシャツより涼しいのです!

自粛していた白×ブルーのボーダー、実は肝は配色よりも素材感だったのかも? と気付かされた瞬間でした。自粛していたボーダーはあくまでカットソー。しかも、肉厚でザラッとガツッとした。

しかしジョンスメドレーのこちらは、ごくごく薄手、なめらか、そして肌が透ける。首〜肩のあたりはボーダーが詰まっていないので、その透け感を楽しめる。それに、薄手だからこそ肩の関節が際立ち、丸い部分が増えた体を“カリッと”見せてくれます。

 

一方デザインは、ごくごく王道。ごくごくシンプル。タイトでもなくビッグでもないシルエットで、身頃も袖も特にAラインに広がったりするでもなく、すとんとストレート。少〜しだけ横に広いクルーネックが顔周りをすっきりと見せてくれる!

王道だけれど、カットソーボーダーによくある、カジュアル&ラフなイメージとはまるで別モノ! 大人でスマートな王道ボーダーです。

グレーのスラックスにインして、黒のレザーベルトを。

 
 

バッグやサンダルも黒レザー。ボトムをデニムにしたり、小物をかごバッグやコンバースにすると、“カントリー”な雰囲気になるところを、少しお堅めアイテムを合わせることで、“シティ”な着こなしに。“まったり”より“カリッと”を目指す今の私には、このバランスがしっくりです。

素肌にスウェード、大人っぽくてもともと大好きなバランスですが、そこにブルーボーダーを合わせると夏らしい爽やかさも。

 
 
ローファー #トッズ
ネックレス(パール)#リラ
ネックレス(チェーン)#ルイーズダマス

首元は、藍染め(!)パールのネックレスとゴールドのチェーンネックレスのレイヤード。

このボーダー自体、“まったり”を最大限に回避してはいますが、着こなしでもまた“まったり”防止策を講じるべく、素材やアクセサリーづかいには、繊細に、丁寧に、を心がけて。


さて……。今回は少々長くなりました。王道の配色やデザインを諦めず、“今”の私にしっくりくるものに出合い、うれしくなってしまって! これからやってくるジメジメ&梅雨寒の季節にも楽しめそう! と満足しています。
 

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