カーディガンを羽織るように使える
カシミヤの革新的なストール
カシミヤというと冬の素材と思われがちですが、アソースメレのものはシーズンをまたいで使っています。イメージはハイゲージのカーディガン。薄さと柔らかさがちょうどよく、こんなストールは見たことがありませんでした。ニットの大判ストールなのでアレンジもしやすく、顔まわりにばっと巻くだけでサマになるのも大好きな理由。
半袖ニットの上や、コットンのシャツにも。このストールを使うようになったらスプリングコートの出番がほとんどなくなってしまたっというくらい愛用しています。
上質なカシミヤで、甘編みならではのふわっと、しなやかな風合。……というと、毛玉ができやすそうですが、それもほとんどできません。デリケートな風合いながら、結構な頻度で使ってもタフで、繭子さんご自身も「長く使っていますが、これは素晴らしい素材なんです!」と。
「ふんわりとした風合いを出すために糸を甘めに編むのですが、ゆるく編むと編み目に遊びができ、それが動きによって毛玉を作るんです。この風合いを保ちつつ毛玉ができにくいようにするために、糸は日本屈指の老舗紡績メーカーのカシミヤ原料を使用しています。通常カシミヤは取れる原料によって繊維の長さが前後してしまうのですが、それを極力揃えることで、糸が均一になるように。捻りにもこだわり、風合いは柔らかで、毛玉ができにくいという理想を実現しました。いい素材は毛玉になるという、そんな定説をくつがえしてくれましたね」と、長谷川さんが教えてくれました。
糸から、編みまで。惜しむことのないこだわりの数々が、この素材の特徴である美しいドレープを生んでいます。包まれているだけで気持ちもほぐしてくれるような、柔らかでマイルドな風合い。そこには確かなる理由と、美しいもの、特別なものを作りたいという信念がありました。
次回は、
(左)大谷繭子(おおたにまゆこ)●「アソースメレ」ディレクター。大学卒業後、ラグジュアリー誌、ファッション誌の編集及びライティングに携わり、ファッション、食、旅、インテリアを切り口とした取材・執筆活動を行う。現在は企業のブランディング、コンサルティング業を行う会社を経営。2018年にはギフトサイト「ギフトリエ」を立ち上げる。ギフトリエ公式HP Instagram: @asoucemeler @mayucocon
左)松井陽子(まついようこ)●ファッションエディター&ライター。湘南在住。雑誌やカタログ、広告など広いジャンルで活躍中。mi-molletで月に2回アップされる「スタッフの今日のコーデ」も人気。Instagram: @yoko_matsui_0628
構成・文/松井陽子
編集/朏 亜希子(mi-mollet編集部)
撮影協力/アソースメレ
前回記事「苦手だったけれど、今は寝ても覚めても愛すべき街"パリ"【マディソンブルー中山まりこさん】」はこちら>>
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