皆さんは怪談やオカルト話はお好きですか? 筆者はけっこう好きです。

なぜ好きなのかを考えてみたのですが、それは自分に霊感があるからとか実際に体験したからといった理由ではなく、年齢性別問わず誰が相手でも盛り上がりやすい(拒絶反応を示す人もいますが)話題だからかもしれません。あと、謎が多い分、良いことがあれば「神様に守られている」、悪いことが起これば「先祖の不徳のせい」といった具合に、状況に応じて都合よく解釈できるからでしょう。

しかし、寂しいかな、いつくかのオカルト現象が起こる(起こったと認識してしまう)メカニズムは最新の脳医学で解明されてきているとか。そのへんの事情を詳しくつづったのが、脳神経内科医である駒ヶ嶺朋子さんの著書『死の医学』です。

数あるオカルト現象の中でも「臨死体験」について多く言及している本書ですが、今回は臨死状態でよく起こる幽体離脱=体外離脱体験について書かれた部分をご紹介したいと思います。

 


体外離脱体験は原因がはっきりしている生理現象


長らく本当に起こるのかどうか疑問視されてきた体外離脱体験は、21世紀に入って惹き起こす原因が明らかになってきたそうです。

 

「実は今や、体外離脱体験は数ある脳機能の中でも、その中枢がはっきりと証明されている言語機能(ブローカ野・ウェルニッケ野)と並んで、脳のどの部位にその現象を惹き起こす力があるかがはっきりとしている生理現象なのである」

では、いったい脳のどの部位が体外離脱体験を惹き起こしているのか? 次ページで詳しく見ていきます。